カレー沢 薫(かれーざわ かおる)先生が出版した『非リア王』(講談社文庫)が、たくさんの「生きづらさを抱えた人々」を救うことになるだろう。
リアルな世界で輝けないなら、バーチャルな世界で輝けばいいじゃない。
なんという逆転の発想。
これはもう「逆転満塁振り逃げ」さえも不可能ではないっ!
「ネットは現実以下」だなんて誰が決めた?これは革命だ。「非リア」が非リアのまま充実しまくれる時代が来た!
この記事を読んで衝撃を受けました。
本書で語る「非リア充」とは、現実から追いやられネットに逃避している人のことではない。
何故なら、「ネットは現実以下」という考え自体がもはや古いからだ。
年収一億のユーチューバーが「でも俺コンビニバイトは一週間も続かなかったし」と卑屈になる必要があるのかという話である。
ネットは現実以下ではない、もはやネットで得た地位は現実でも価値があるものになっているのである。つまり非リア充を極めれば、そんじょそこらのリア充よりよほど充実できるということを示そうとして途中で終わったのが本書なのだ。
なんというコペルニクス的な!
コロンブスの卵的な発想!
平成最後のシャカリキ・コロンブス、カレー沢薫先生が、菩薩のような微笑みを浮かべながら「大後悔時代はもう終わったんだよ…」と、救いの手を差し伸べてくれている!
そうとしか思えなくなってきた。
年収一億のユーチューバーが「でも俺コンビニバイトは一週間も続かなかったし」と卑屈になる必要があるのか?
・・・言われてみれば、まさにその通りだ。
コンビニでのバイトが続かなくても、人生が詰んだワケではなかった。
我々の眼前には、広大な、途方もなく広大な、インターネットという名の大海原が広がっていたのだ!
ありがとう!コロンブス!ありがとう!カレー沢船長!
おもかじいっぱ~い!
(適当に言う)
「来世で頑張ります」という前に、我々にはインターネットでできることが、あった!
まだゲームは終わっちゃいねぇ!
以前は「羨ましいからリア充爆発しろ」と思っていた。
しかし今では「特に理由はないけど爆発しろ」と思っているし、もちろん爆発したリア充の代わりにリア充におさまりたいとは思わない。むしろ「非リア充という高みからリア充の爆発を見下ろしたい」という気分である。
はい、名言いただきました~。
「特に理由はないけど爆発しろ」
「爆発したリア充の代わりにリア充におさまりたいとは思わない」
そこにはもう、リア充への嫉妬も、羨望も、何もない。
我々は解放されたのだ。
今はただ、シンプルに、何の理由もなく爆発を望む、子どものようにピュアな心があるだけだ。
非リア充が現実世界でのコミュニケーション能力、協調性、社交性に欠けるのは否めないところがあるし、この世に現実世界しかなかった時、そういうタイプは概ね詰んでいただろう。
しかし今はネットという、もう一つの世界がある。その点我々は恵まれているし、そこで成功をおさめたなら、もはや自分に向いていない現実、そしてそこで充実することなどに拘泥する必要はないのではないか。
もはや現実の時代は終わった。
今いる部屋、今見ている画面こそがリアルであり、価値のあるものなのだ。
これはもう、
新時代の幕開けだぁぁぁーーーー!!!
参考過去記事。ボディビルのかけ声。
余談ですが、実はワタクシ、隠れカレー沢ファンなのです。カレーマニア。
実は以前から、カレー沢薫先生の才能にほれ込み、密かに注目していたのです。
なんで隠れんの?って話ですが、それは自分にもよく分かりません。
かつては、「カレー沢ステマ部隊」の一員として販促企画にも参加させていただきました。
カレー沢先生の著書『もっと負ける技術』のステマ的サブリミナル広告として、ツイッターの自分のアイコンに「もっとシール」をペタッと貼って、何食わぬ顔で宣伝するという企画。
「オレのアイコンにも『もっとシール』貼ってください!」って直訴すると、デザイナーさんが貼ってくれるっていう。
私はデコに貼られました。
「ウォーリーを探せ」みたいになってますけど。
ゴジラ映画の逃げ惑う市民的エキストラのように、密かに参加。
『もっと負ける技術』重版出来おめでとうございます。「もっと」企画に参加された皆様と重版出来を祝う画像作りました! pic.twitter.com/O9C3oVtfyx
— 田中秀幸/ボギー/ジョージ真夜中 (@ianlife) July 26, 2016
お分かりいただけただろうか…?
密かに潜入。
カレー沢薫先生のことは「ブス」の件でも言及させていただきました。
コンプライアンス的にかなり危険な綱渡り的タイトルですが、中身は慈愛に満ちた感動作。
職業・ブス。
そういっても過言ではない、ブスのプロフェッショナル。
カレー沢薫先生。
ブスがブスであることを存分に発揮することができれば、人間はここまでブスになれるのだと「ブスが秘めている無限の可能性」を証明し続けております。
無尽蔵のブス。こんこんと湧き出るブス。
六甲のおいしいブス。
略
各コラムのタイトルも秀逸。
タイトルの面白さだけでいくつかピックアップしてみましょう。
- スッピンで口ひげが生えている女は春の到来を告げるブス
- 腹にダイナマイトだけ巻いて突っ込んでくるブスに勝てると思ったら大間違いだ
- ブスの頭に載っているのは「クソ」という名の王冠だ
- 「金と労力をかけた結果ブス」という発射失敗ロケットみたいなブス
- ブスに終わりはないし私個人としても三十半ばになった今からが本番だ
- ブスこそが最終的な勝者であり「ラスト・ブス・スタンディング」だ
今、一陣のさわやかな風が吹き抜けていきました。
華麗なるブス使い。
なんというか…プロってこういうことなんだな、ここまで突き抜けてこそなんだな、って思い知らされましたね。
まぁとにかくですよ。
生きづらさを抱えた迷える民を、時にやさしく、時にコミカルに、救い続けるカレー沢薫先生からは、今後も目が離せません。
皆の衆、ネットで輝け!