【ネタ】GWにお忍びで来日したバンクシーの1日(妄想)

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覆面アーティストのバンクシーは、ゴールデンウィークの真っただ中、黄金の国ジパングに潜入し、密かに作品を制作していた。

 

東京都庁の一角に、アホみたいな連中がアホみたいに並んでいる行列があった。そう、例の絵である。

 

「バンクシー作品らしきネズミの絵」を一時公開|東京都

防潮扉の一部に描かれた「バンクシー作品らしきネズミの絵」の一時公開について
このたび、本年1月16日に取り外し、都内の倉庫で保管していた防潮扉の一部について、下記のとおり一時的に公開することとしましたのでお知らせします。
この防潮扉の一部にはバンクシー作品の可能性がある絵が描かれていたことから、真贋の確認や取扱いについて、専門家等の意見も聴きながら検討を行ってきたところですが、現時点で真贋は不明な状況であるため、当面、「バンクシー作品らしきネズミの絵」として取り扱います。
公共物への落書きは決して容認できるものではありませんが、一方でこの絵を見てみたいという声や問合せもあることから、一定期間実物を見ていただく機会を設定することとしました。

 

バンクシーの絵ではない。

バンクシー作品らしきネズミの絵である。

 

【小池百合子】早とちり小池知事…都が鑑定の“バンクシー作品”には型紙が|日刊ゲンダイDIGITAL

英国の通販サイト「eBay」が、バンクシー作品の型紙を販売していることを発見。型紙の上からカラースプレーを吹きつければ、壁などに作品が浮かび上がるシロモノで、日本円にして約850~約2000円で購入できる。

 

バンクシー作品らしき絵は、誰でも簡単に量産できる仕組みになっている。

 

 

型紙を壁に固定し、プシューっとスプレーをかける。

あとは、型紙を外せば完成だ。

所用時間、わずか数十秒。

 

型紙さえ手に入れば、ネズミでも、少女でも、兵士でも、なんでも際限なく生み出すことができる。

難しい技術の習得が必要ないうえに、型紙は鬼のように安い。

 

愚かな人間どもが、贋作らしきネズミの絵に群がる様子を、少し離れた場所からあざ笑うかのような表情で、バンクシーは眺めていた。

バンクシーは言った。

「ニンゲン、オロカ、デスネ…トクニ、ジャパニーズ…」

 

「ヒジョウニ、コッケイ、デス…」

 

あまりにも滑稽なジパングの民の大行列を眺め、

「滑稽なこの人たちのために、烏骨鶏(ウコッケイ)の絵でも残してから帰ろうかな…」

などと思ったり思わなかったりしつつ、バンクシーは仕事の準備に取り掛かった。

 

 

「よっこいしょういち、と…。」

バンクシーは、覚えたての日本語を駆使しながら、いつものようにひっそりと、誰にも気づかれることなく、東京都庁に新作を設置した。

 

この立て札である。

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さすがのバンクシーも、日本語のマスターには苦労した。

 

やっとの思いで書き上げたが、何かおかしな日本語になっていた。

 

本来であれば

「こちらの列はバンクシー作品らしきネズミの絵の展示の列ではございません」

と書くべきところを

「こちらの列はバンクシーらしき展示の列ではございません」

と書いてしまった。

 

バンクシーらしき展示。

 

ザックリである。

 

アバウトである。

 

グーグル翻訳の精度には、まだ改善の余地があった。

 

その後、バイトの警備員に変装したバンクシーは「この行列の最後尾はこちらです」的なプラカードを掲げながら、

「バンクシー作品らしきネズミの絵の展示の行列」の最後尾に、ず~~っと(GW中)立っていたわけだが、そのことに気づくものは誰一人いなかった。

そう、ただひとり、小池百合子を除いては…。

 

~Fin~

 

 

今回のショートストーリーは、こちらのエントリーに触発されて書きました。

(立札の画像もこちらから)

www.cobalog.com