社会心理学者ポール・ピフ(Paul Piff)の実験によって、人は金持ちになればなるほど性格が悪くなる事が判明。
オレ、今以上に悪い奴になりたくないから、貧乏のままでいいです。
ポール・ピフは、いくつかの実験を行っています。
例えば、100人以上を集めて行ったモノポリーを使った実験。
「モノポリー」ってのは日本の「人生ゲーム」みたいな感じ。
「億万長者ゲーム」の方が近いかな。
モノポリーの実験から読み取れる、人間が次第に傲慢になっていく様子
二人一組になってゲームを始めてもらいます。
ただし、片方の参加者は、
最初から2倍の資金を持ってスタートします。
さらに報酬も2倍、振るサイコロの数も2倍です。
ようするに、どうあがいても、
勝敗が覆らないような特殊なルールでゲームを始めてもらいます。
そして、その様子を隠しカメラで撮影します。
さぁ、どうなったでしょうか。
たかがゲームですが、大金を手に入れた参加者は、もう一人の参加者に対してどんな態度をとったか。
最初から自分が勝つように仕組まれていたルールですから、勝って当たり前のはずなのに、カネが増えれば増えるほど、どんどん傲慢な態度をとるようになっていきます。
自分の実力で掴み取った結果ではないのに、偉そうに自慢し始めます。
超~感じ悪い奴になっていきます。
ポール・ピフは語っています。
過去7年間わたしは同僚と共に、このような階級構造がもたらす影響について研究してきました。
国中の人に実験に参加してもらい研究を重ねた結果、お金持ちになるにつれて思いやりを持つことや、他人の立場でものを考えることが少なくなっていくことを発見しました。
そして権利意識や利己心が強くなり、自分が特権的な地位にあることが当然だと考えるようになります。
アンケート調査の結果裕福な人たちは、「強欲で利己的であるのは正しい・いいことである」と考えていることが解りました。
はい、誰ですか~?
誰の顔が、頭に浮かんできたかな~(笑)
急にブログで100万稼いで、偉そうになっちゃった人とかいませんか?
他にも、こんな実験があります。高級車はルールを守るのか?という実験
ロサンゼルスの海岸通り沿いでの実験です。
この地域では、法律上、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいた場合、自動車は停止しなくてはならないというルールがあります。
社会心理学者のポール・ピフは、歩行者を無視して横断歩道で停止しない車と、その車の値段との関係に目を付けます。
面白いですね~。
さて、どうなったか。
最も安いしょぼい車に乗った人は、誰一人としてルールを破りませんでした。
すなわち全ての貧乏人は、横断歩道を渡ろうとしている歩行者に、道を譲りました。
ひるがえって
高級車に乗った連中はどうだったか。
最も高級なグレードの自動車の半数は横断歩道で停止しなかったそうです。
傲慢ですね。
しかもこの、歩行者に道を譲らない車の割合は、車の値段と比例しています。
車が高級であればあるほど、歩行者を無視するようになるのです。
一般の人々が持っている富裕層と貧困層に対するイメージを調査すると、少し前までは多くの人々が「貧困層はルールを破りがち」という認識を持っていました。
これは、貧困層は財政的な不安定さから「他の人々よりも困難な状況に瀕することが多い」と考えられているからです。
しかし、ピフ博士はこれは正反対であると指摘しており、多くのお金を持つ富裕層こそ、他人への関心が希薄になり、自分の利益を1番に優先しがちになっている、と主張しています。
この他にも「お金が人の行動にどのような影響を与えるか」に関する研究を10年近く行ってきた結果、ピフ博士は「裕福になると慈悲や道徳心が減る」という結論を導きだしており、
彼によれば「お金が増えると人は自分自身の利益や欲望を求めるようになり、お金は人を心理的にも物質的にも孤立させてしまう」とのことです。
ピフ博士と彼の所属する心理学研究所は、これまで数々の実験を行うことで、徐々に「お金が人の行動にどのような影響を与えるか」を解き明かしてきました。
過去の実験結果によれば、裕福な人は貧乏な人と比べて
「サイコロを使った簡単なゲームにおいて、よりよい報酬を求めるあまり頻繁に不正を働こうとする」
だとか
「『子ども用のお菓子です』と断りを入れておいたものも、勝手に食べる」
だとか
「進んで他人を手伝おうとはしない」
など、ルールを無視して自分の私利私欲のために動きがちであることが判明しています。
様々な実験の結果、裕福な人間が狡猾で汚いやり口を使う事例がどんどん積み上がっていきます
他にも、絶対に12点以上出ないように細工しておいたコンピューターゲームを使った実験があります。
高得点が出たら報酬を差し上げますというと、裕福な連中達は「12点以上出した」と申告してきます。
絶対に12点以上出ないゲームなんですけどね。
嘘をついてでも、報酬を得ようとするんです。
他にも「独裁者テスト」という有名なテストがあります。
これは、複数人のグループを作り、ひとつのグループにはひとりひとりに10ドルずつを渡し、もう片方にはお金を渡さずに「何も受け取っていないグループの人にお金を渡してもよいし、何もしなくてもよい」と伝えるテストです。
合理的に考えれば、貧しい人々は自分のためのお金を保持しておくべきで、裕福な人々はお金を他の人に分け与えるべきと感じるかもしれません。
しかし、実際に起きるのはそれとは反対の出来事で、
裕福な人ほど他人に分け与える金額が少ないそうで、貧しい人々は裕福な人々よりも150%も他の人々に分け与える金額が多いそうです。
今回の熊本県の地震に関してもそうですが、本来であれば、長者番付に載るような人々が数千万、数億、寄付してくれても良さそうなもんですが、そういう事には、多分ならないんです。
小学生が、ブタの貯金箱をカチ割って、お小遣いを募金箱に入れたり、
フリーターが、なけなしのバイト代を、寄付したりすることになるんです。
愛は地球を救うだかなんだか、24時間テレビってのやってますけど、あれ、出演者全員分のギャラがハンパないらしいですからね。
例えば、マラソン走ったら1000万円貰えるそうです。
そのギャラを寄付すれば?って思うんですが、実際には、ペットボトルに1円とか5円とか貯めた一般の人々のお金が、寄付や募金のメインなんでしょうね。きっと。
変な話。
ちなみに、外国では、24時間テレビ的なチャリティー番組は、出演者は全員ノーギャラが基本だそうで。当たり前です。
日本が狂ってる。国民がみんな、カモられてる。
「ビートたけし」だったか「明石家さんま」だったか忘れましたけど、ギャラが出るなら、出演しないって拒否したらしいですね。
下の名言がホントに言った言葉かどうかは不明です。
ヨダレ垂らした芸能人どもがめちゃくちゃ高いギャラ稼ぐくせに、これ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティーっていうくらいならお前ら全員ノーギャラで出ろよ!(24時間テレビ への出演オファーに対し)
— ビートたけしの名言 (@takeshimeigen) 2015年6月10日
そんなことはない、私の周りの金持ちは良い人ばかりだ、という方へ
オレが思うに「金持ち=良い人」っていう構図は、無いんじゃないかと思っています。
現に、様々な実験によって、金持ちの正体が明るみになってますし。
オレが思うのは、
「金持ち=性格が良い人」ではなく
「金持ち=頭が良い人」って事だと思ってます。
親の資産を受け継いだ2世でもない限り、お金持ちは、頭の回転が速い人が多いはず。
性格はともかく、頭が良いんです。
そして、頭が良いから、状況を先の先まで見極めて判断し、行動します。
結果、良い人のように振る舞った方がリターンが大きい時には、良い人を演じます。
ただし、前出の横断歩道の歩行者に道を譲るかどうか?のような、
譲ったところで自分には何のメリットもリターンも無さそうだ、という時には、素の傲慢な自分が現れる、という事なんだと思います。
ですから
「私の周りのお金持ちはみんな良い人ばかりだ!」
と言ってる人は、実は、お金持ちから一目置かれているのかも知れません。
お金持ちから
「この人の前では、良い人を演じ続けていた方が、何かと恩恵がありそうだ」
と思われている可能性があるって事ですから。
もちろん、お金持ちだけど本当に良い人もいると思います。
そうじゃないと、世の中ちょっと辛すぎます。
オレは信じたいですね。
いる。
お金持ちでも、良い人が絶対にいる!
お金持ちも、貧乏人も、みんな関係なく、思いやりがあれば最高です。
しかしそうなってくると、貧乏にもかかわらずイイ人じゃないっていうオレの立場が、かなりヤバいです。
日本語の字幕付きの動画です。ポール・ピフの話が聞けます。