【妄想】マスコミの追及を逃れるためファンキーが東大沼へ向かうという話。

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ファンキーはマスコミの追及を逃れるため、変装して北へと向かっていた。

ミュージシャンとしてのオーラを消すために「山菜採り」の格好をしたのが功を奏し、誰にも気づかれる事なく、無事に目的地の北海道七飯(ななえ)町東大沼の山林まで辿り着くことが出来た。

ここまで来ればもう大丈夫だ。

あとはこの三叉路を直線距離で10キロほど行けば、隠れ家として最適な、自衛隊のかまぼこ廠舎(しょうしゃ)があるはずだ。

 

ファンキーが目指す「自衛隊のかまぼこ廠舎(しょうしゃ)」とは…?

参考画像

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http://blog.goo.ne.jp/

 

ファンキーは例の三叉路まで来ると、あらかじめ用意しておいた「竹馬」をリュックサックから取り出した。

 

警察犬の追跡を逃れるためには、足跡を残さないことが重要だという事は、検索サイト「ゴーグル」で事前に調べ上げていた。

警察犬には人の足跡の臭いを嗅ぎ分ける鋭い嗅覚がある。

そこでファンキーが考え出したのが竹馬での移動方法だ。

地面に足をつかなければ、いかに警察犬といえども容易には追跡できないだろう。

 

ファンキーはすっかり上機嫌で、鼻歌を歌いながら歩き出した。竹馬で。

 

足跡さえ残さなければ 警察犬の手掛かりはなく

かまぼこ廠舎(しょうしゃ)へと辿り着ける…

 

意気揚々と(竹馬で)歩き出すファンキー。

かまぼこまで辿り着けば、飲み水に困ることは無いし、分厚いマットレスもある。

6日間はおそらく誰も来ないはずだ。

そして、

建物の入り口には、

鍵が

か・か・っ・て・な・い。

かかってない。

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https://www.youtube.com

 

ファンキーの脳内では、すでに新曲の構想が練り上がりつつあった。

 

今度の曲は、逆境にもめげない小学生の大和魂をテーマにしよう。

 

「我ながら、溢れ出る無尽蔵の才能が怖くなるぜ…!(ほっこり)」

 

 その時、不意にやぶの中から、ガサゴソと音がした。

 

ファンキーはとっさに声をあげた。

 

誰だっ!クマか!?

それとも、柴田かっ!?

 

辺りを包む緊張感。

 

ガサゴソ・・・

ガサゴソ・・・

 

やぶの中から出てきたのは、マッチ棒みたいな男だった。

 

「僕は…クマじゃない。そして…柴田でもない。柴田以外、柴田じゃないの。」

 

ファンキーは思った。

何言ってんだコイツ。

 

やぶから出てきたのは、ゲス谷という男だった。

ファンキーと同様、

自衛隊のかまぼこ廠舎(しょうしゃ)を目指していたのだ。

 

おそらく、ファンキー同様、社会から身を隠さなければならない状態なのだろう。

それを察したファンキーは詳しいことは詮索しない事にした。

誰にだって、触れられたくない心の傷はあるからな。

 

ゲス谷は言った。

ぼくはもう、お腹がペコペコなんだ。

「その、お腰につけた、きびだんごをおくれよ…」

 

ファンキーは、ゲス谷にきびだんごを与えた。

これで、仲間が増えた。

二人でかまぼこ廠舎(しょうしゃ)を目指すことになったのだ。

 

※なんかもう、「かまぼこ廠舎(しょうしゃ)」っていう言い方がめんどくさくなってきたので「ガンダーラ」という事にします。

 

とりあえず竹馬は、1人1本ずつ、仲良く分け合う事にした。

ファンキー、ゲス谷、それぞれが竹馬でケンケンする要領で跳んでいこうと試みたが、せいぜい、数十センチずつしか前に進めなかった。

 

参考動画

www.youtube.com

 

数十センチ進むごとに竹馬から降りていたので、もはや警察犬をかく乱させるとか、そういう事は全然関係が無くなっていた。

竹馬ケンケンは、もはや彼らのライフワークとなっていたのだ。

 

 

ファンキーとゲス谷は、何度も何度もつまずき、竹馬から転げ落ち、汗にまみれながら、ガンダーラを目指した。

そうしてガムシャラに片足ケンケンをしている時、ふと思った。

 

そうか。これが人生なんだ。

 

「人生」と「竹馬の片足ケンケン」は、非常によく似ている。

 

バランスを崩すと、前向きであれ、後ろ向きであれ、転ぶことになる。

大切なのは、

ポジティブ過ぎず、ネガティブ過ぎないことだ。

焦らず、怠けず、コツコツと。

 

そうか、これが人生なんだ。

 

2人がそんな感傷に浸っていると、またしてもやぶから誰かが現れた。

 

「おざぁーっす!!」

 

まるで「元気の押し売り」みたいなハーフ系の女性だった。

ちょうどこんな感じ。

www.youtube.com

 

一瞬、ゲス谷が硬直したように見えたので、ファンキーは、ついうっかり聞いてしまう。

「えっ?なに?二人は知り合いなの?」

 

ゲス谷も、ハーフ系の女性も、即答は避け、事務所を通して後日連絡すると答えた。

 

「元気の押し売り」は木部(キベ)と名乗った。

 

とりあえず、ファンキーはお腰につけたきびだんごを木部にも与えた。

 

こうして、道連れがまた一人増えた。

 

竹馬は2本。人間は3人。

竹馬ケンケン、どうしようか…。

 

・・・・・・

 

もう、竹馬なんて関係ねぇ。

人生と竹馬?そんなのどうでもいいわ。

 

竹馬なんて、もうやめだ!

 

ファンキーもゲス谷も、竹馬をやぶの中へ放り投げた。

 

「いてっ!!」

 

やぶの中から声がした。

 

どうやら、今投げた竹馬が、誰かに直撃したらしい。

 

やぶの中から、ふくよかな神様が現れてこう言った。

「あなたが投げたのは、この金の竹馬?それとも銀の竹馬?さんぺーです。アモーレ!!」

 

ガンダーラはまだまだ遠かった。

 

 

 

最近、毎日、サバンナ八木の荒唐無稽な超~長編小説を読んでるので、文体が八木に似てしまう(笑) 

影響受けまくりです。完成度なんて無視して、好きなように書く★

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