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映画『人生は小説よりも奇なり』の感想 記事後半にネタバレあり

映画『人生は小説よりも奇なり』をシアターキノで観てきました。

同性愛者(ゲイ)の中高年カップルが、39年越しにようやく正式に結婚までこぎつけたものの、様々な困難が降りかかってきて…という話。

映画のチラシは非常にポップでほっこり系な仕上がりなのに、実は映画の内容は全然ほっこり系じゃないという、最近よく見かける、だまし討ちパターン。

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最近、ミニシアター系っていうのかな、単館系って言うのかな、この系統の「チラシはやたらにマイルドな仕上がり」っていう売り出し方が多いですねぇ。

ほっこり目当ての女子を誘導する狙いなんでしょうけど。

一時的には集客の効果も期待できるでしょうが、こんなだまし討ちみたいなこと続けていたら信用無くすと思いますが…。

ちょっと前に、テレビ番組の最後に「CMのあともまだまだ続くよ!」ってテロップを出しておいて、実際にはCMのあとは数秒だけ、っていうダマシがめっちゃ流行りましたよね。

視聴者からの大ブーイングの結果、全局、そのやり方を自粛するようになった、っていう経緯がありましたけど、あの感じと非常に似ているような気がします。

目先の利益にとらわれちゃってますねぇ~。

イスラエル映画の『ハッピーエンドの選び方』なんて、チラシや予告と映画本編の内容が全然マッチして無くて「だまされた!」みたいな人、結構いたと思います。

 

さて、『人生は小説よりも奇なり』の映画本編の話に参りましょう。

『人生は小説よりも奇なり』って、こんな映画。

www.cinematoday.jp

チェック:39年間連れ添いようやく結婚した男性同士のカップルが、同性婚への差別から仕事と家を失うものの互いを思い合う姿を描いたドラマ。人と暮らすことの難しさや理解し合える相手のいることの幸せをつづる。監督は、『あぁ、結婚生活』などのアイラ・サックス。出演は、『愛と追憶の日々』などのジョン・リスゴーと『スパイダーマン2』などのアルフレッド・モリナ。老カップルの苦悩の中に浮かび上がる愛情が胸に迫ると共に、舞台となったニューヨークの洗練された風景にも目を奪われる。

ストーリー:ニューヨーク、マンハッタン。39年間付き合ってきた画家のベン(ジョン・リスゴー)と音楽教師のジョージ(アルフレッド・モリナ)は、親せきや友人たちに祝福されながら結婚式を挙げた。ところが数日後、ジョージは同性婚を理由に勤務先の学校をクビになってしまう。収入が減り住まいを売ることになり、ジョージとベンはそれぞれ別の家に居候を始めるが、二人は互いの大切さに改めて気付き……。

 

映画『人生は小説よりも奇なり』公式サイト

 

オレなりの映画レビュー『人生は小説よりも奇なり』を観た感想(ネタバレあり)

ぶっちゃけ、私的には、人間の内面のドロドロしたところを描いているような「非ほっこり」系とか大好きなので、むしろ期待してたんですが、イマイチでしたね。

一緒に行った相方(通称・大福)は映画の開始早々寝ちゃうし。

私も途中でちょっと寝ました(笑)

 

たぶん、監督がいろいろと言いたいことが有りすぎて、詰め込み過ぎなんじゃないでしょうかね。

結局全部、中途半端というか。

もっと主人公のゲイの老人カップルの内面に焦点を当てたほうが良かったんじゃないかと思います。

老人を期間限定で居候させた親戚家族の一人ひとりを超~中途半端に掘り下げたりしてましたけど、あれって必要だったんでしょうかね。

親戚の母親の方へ行ったかと思えば、息子の方へ行ってみたり。

「知らないゲイのおじさんに居候されるとお母さんは大変なのよ!」みたいなくだりとか、ぶっちゃけ、無くても良かったんじゃないかな。

そんなところで尺つかうなら、ゲイのじいさんの内面をもっとえぐれよ。

ポイントがあっちへ行ったりこっちへ行ったり。あんなことする必要あったんですかね。

 

今、公式サイトをチェックしてみたら、監督が言いたかった事は「長年連れ添ったゲイカップルの愛と老い」「40代の夫婦の愛(親戚一家)」「母と息子の愛」「少年の成長」「教会は愛をどう教えるのか」「音楽家は?」「芸術家は?」・・・などなど。

他にもいろいろと伝えたいことがあったみたいです。…2時間に全部入る?

もっとゲイのジジイを見せろや。

「ゲイの高齢者カップルが正式に籍を入れる」っていうすごく異質で面白い設定にしたのに、そこを全然、上手く料理できてない。どうせなら、そこをもっと徹底して、いじらないとダメじゃん。

で、結局ラストは、時間が無くなったのか、予算が無くなったのか知りませんけど、一気に強引に終わらせちゃう感じで。

はい、場面変わったら、主人公がひとり死んでおります。しかも随分と日にちも経過して、残されたもう一人の主人公は心の整理も、ちゃんと終了しております、的な。なんだこれ。

せめて、ひとり残された男の中にある喪失感や絶望感と、それを乗り越える描写とか、もうちょっと描いた方が良かったんじゃないのかな。やけにさっぱりしてやがった。

少年ジャンプで不人気の漫画が急きょ打ち切りになる時のあの感じで映画が終わっちゃいます。

ものすごいやっつけ仕事感してるし。

もしもあれで監督が「どう?斬新な演出でしょ?アーティスティックでしょ?」って思ってるとしたら、おいおいって感じです。

なんなんでしょう。フランス映画にでも憧れてるんでしょうか。

 

あとね、ゲイの二人の爺さんが「愛し合っている」ことを表現するための描写が、長々とディープキスをするっていうは、ベタ過ぎませんかね。

39年、連れ添ってるんだからさ、ディープキス以外にも愛し合ってる事を伝える何かがあるだろうが。

2人が音楽鑑賞に出かけた時なんかは、音楽を聴きながら、そっと手を握り合うシーンなんかあったけどさ、あれでも十分、愛し合ってることは伝わりますよ。

なんで何回も、ジジイのディープキスばっか見せるんだよ。短絡的すぎだろ。中学生か。

愛の表現、全部あの感じか。大事な場面では、ディープキスの長回しか。

 

なんか、今ふと思った。

センスの無いアメリカ人が「モヤッとするようなフランス映画」に憧れて、それっぽいものを撮ってみたけど、やっぱセンス無くてグダグダになったっていう場合、こんな感じになっちゃうんじゃないだろうか。