【神回】ファッションデザイナー皆川明さん登場の「仕事の流儀」は素晴らしかった!

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10月17日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀」は、私にとって、いわば『神回』でした。

登場したのはファッションデザイナーの皆川明さん。

今では世界中にファンがいる皆川さんですが、決して器用にスイスイと世の中を渡ってきたわけじゃありませんでした。

高校卒業後、就職も進学も決まらなかった皆川さん。

皆川さんがファッションの道へ進むきっかけがとても意外でした…。

 

こんな凄い人が今まで「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられずにいたのか?と驚くと同時に、見逃さなくて超ラッキーだったと心底思った。 

皆川明さんは過去にもこの番組に登場したことがあるんでしょうかね?

今までピックアップされずにいたとは思えません。

 

私にとっては、ある意味「お手本」とか「理想」とか言っても過言ではないくらい、皆川さんの生き方が心に刺さりました。

 

こんな風に生きられたらいいなぁ~と思いましたからね。

まぁ、そっくりマネすることは無理だし、すべきではないんですけど「この姿勢は参考にしたいな!」と思う部分がてんこ盛りでした。

 

特別な技術や技能を持っていない、不器用にしか生きられない人間にとっても、皆川さんの「信念」や「誠実さ」、「ひたむきさ」は大いに参考になります。

 

人生に迷った時には、何度も観たい「永久保存版」とも言える内容。

見逃さなくて本当に良かった…。

 

基本的に私はチャンネル権を持っていないので、「プロフェッショナル」を観ることはほとんどありません。

たまたまこの日、実家に顔を出していたので「皆川さんの神回」を観ることが出来たんですが、これはもうね、運命だと思いましたね。

そう思えるくらい、私にとっては重要な意味がありました。

 

人生に迷った時、似たり寄ったりの自己啓発本を100冊ザ~っと流し読みするくらいなら、この神回を何度も観返したほうが効果があると思いますね。

 

 

不器用な人間は、不器用な人間にしかできないやり方を貫くことで「自分らしさ」を発揮しろ。

私は常々、思ってるんです。

不器用な人間は「器用さ」や「小手先の技術」で己の人生を表現できないし、すべきではない

って。

 

私はこれを勝手に「相田みつをシステム」と呼んでいます。

(今、勝手に命名)

 

ファッションデザイナーの皆川明さんも、このシステムを採用していますね。

(違ってたらごめん)

 

 

ちょっと話が逸れちゃいますけど…。

説明しよう。相田みつをシステムとは…?

「にんげんだもの」でお馴染みの詩人で書家の「相田みつを」は、メチャメチャ不器用な人なんです。

子供の頃、みんなでいたずらをしたのに一人だけ先生にボコボコにされちゃうとか。

それは、みつをがウソをつかないから。

自分の信念を曲げないから。

自分が正しいと思ったことは最後まで貫くから。

だから、みつをは、いつも辛い目に合う。

損な役回りばかり。

とにかく、不器用にしか、生きられない。

 

そんなみつをは、大人になってからは書道の先生として生計を立てていた訳ですから、実はメチャメチャ字が上手い。

達筆です。

 

しかし。

自分自身の不器用極まりない生き様を、果たして「達筆」で表現できるのか?

って話になるんですよ。

 

ものすごく美しい字で

「にんげんだもの」

と書き綴って、それで己の不器用な生き様を伝えることが出来るのか?

 

できないんです。

達筆じゃ、伝わらないんですよ。

 

だからみつをは、全ての技術を捨てた。

「とめ」も「はね」もいらない。

バランスも関係ない。

そんな小手先のテクニックじゃ、自分の人生を表現できない。

 

よそ行きの自分じゃダメなんだ。

「本当の自分」を書で表現するなら、へたくそに書かなくちゃダメなんだ。

 

・・・・・・

そういうことだと思うんですよね。

みつをに直接、聞いたわけじゃないから憶測ですけどね。

まぁおそらく当たってると思います。

 

私も昔、アート的な何かを多少かじっていましたけど、果てしなく自問自答を繰り返した結果、結局そこに行きつきましたから。

 

 

はい、話を戻しま~す。

 

皆川さん自身はどう思っているのか分からないし、他の人たちの目にどう映っているのか知らないけど、

私の感覚としては、

皆川さんのデザインは、本当に皆川さんらしい。

 

通常ならテキスタイルデザイナーに発注するような布地の柄も、皆川さんが自ら描く。

皆川さんがコツコツと手書きで描くデザインは、ちょっと下手な感じで味わいがある。

不器用で誠実でひたむきでやさしい「本当の皆川さん」が表現されている。

だからスゴい。

だから唯一無二の存在なんだ。

 

 

流行は追わない。マーケティングもしない。ただひたすら己のやり方を貫く皆川明が超絶カッコイイ件。

皆川さん、カッコよすぎだよ。

自分のスタイル、貫きすぎ。

しかも結果を出し続けている。

皆川明(2016年10月17日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

自分の喜びに従う

皆川の会社は、21年間で売り上げが下がったことは、一度もないという。

その人気を支える理由のひとつが、オリジナルデザインの生地から服を作ることにある。

皆川が描くデザインは、花や動物、幾何学模様などの素朴なモチーフ。古い絵本に出てきそうで懐かしくて楽しい。

流行やマーケティングはいっさい考えない。よりどころは、自分の喜びに従うことだけだ

「周りの人に喜んでもらえると思って描けば描くほど、自分の思いは小さくなる。自分が喜んで描くものは、人も喜んでくれると信じて、精一杯やるしかない」

周りを喜ばせたいと思いすぎると作為が勝ちすぎる。

描いている自分自身が喜べなければ、いいデザインは生まれないと考えている。

 

他人の顔色を伺わずに、どこまでもどこまでも「THE・皆川」を貫き続けることが、結果的には「本当の皆川ファン」の期待に答えることに繋がっていったわけですね。

 

ファンは「自分を貫く皆川さん」に惚れ込んでいるわけですから。

これ、大事ですよ。

 

不特定多数の他人に好かれようとして、自分を曲げちゃったり、自分に正直に生きられない人って、たくさんいると思います。

 

雑誌やネットの情報を鵜呑みにして、異性にモテるために服装や髪形をコロコロ変えるなんてのは、結局のところ「自分らしさの放棄」みたいな事ですからね。

どんどん薄っぺらくて中身のない存在に成り下がってしまう。

実際には、本当の自分を見てもらいたいなら、本当の自分を貫くしかないんですよね。

 

目先の成果にとらわれずに、己を貫き続けることが出来た人の方が、結局は人間的な魅力に満ちあふれていて、異性の目にも同性の目にも輝いて見える存在になるのでしょう。

皆川さんは、それを自分自身の生き様で、我々に気づかせてくれます。

 

 

たとえ遠回りに見えても、自分を信じてコツコツと続けること。その道のりこそが揺るぎない「確固たる自分」を創り上げる。

マイナスから、プラスを見いだす

「この世の中にマイナスしか持っていない事象はきっとないと思っていることが、デザインする上での根っこになっている」と話す。

 

皆川は、新しい服を次々買ってもらいたいと思っていない。長く着てほころびた服は、お店に持ってきてもらえば必ず直す。

 

「マイナスから、プラスを見いだす」という発想の原点は、皆川が歩んできた人生そのものにある。

19歳でファッションの世界を志し、服飾の専門学校に入学。しかし、不器用でうまく服が作れない落ちこぼれだった。それでも、服作りの道をあきらめず、縫製工場やアパレルメーカーで働き、技術を磨いた。

 

そして、27歳で独立。

服の形だけでは、他のデザイナーと比べて能力が落ちると考えていた皆川は、生地作りから自分で手がけることにした。

流行やトレンドに乗らない素朴なデザインの皆川の服は、ファッション業界で注目を集め、人気になっていった。


「自分ができないことに出会った時に、できない状態でいるよりは自分にできることを相対的に見つけてみる。社会的にはマイナスに見えることが、自分にとってはプラスになることがあると考えてみる。そういうことを、ずっとしてきた」

 

皆川さんの下積み時代の話は、華々しいファッション業界のイメージからは想像もできない壮絶さでした…。

 

高校卒業後、就職も進学も決まらなかった皆川さんは、偶然ファッションショーのお手伝いをすることになります。

そして直感的に

「これは運命だ。ファッションの道で生きていこう」

と、心に決めます。

 

ここね。これがなんかすごいと思う。

理屈じゃなくて、運命だと言い切る。

 

そんなこんなで皆川さん、

服飾系の専門学校へ通いますが、不器用なのでみんなと同じように課題をこなせない。

 

自分の劣った能力では、服のフォルムだけでは太刀打ちできない。

できるだけ全ての工程を自分でやり、そこに全精力を注がなければ良いものを創れない。

そんな風に思ったそうです。

 

みんなと同じように要領よく出来ないのであれば、みんなよりも、もっともっと自分の魂を込めて創ればいい

・・・そう考えたわけですね。

 

よし!自分のオリジナルの生地づくりから始めよう!

…しかし皆川さんにはカネが無かった。

 

考えた末、皆川さんは布の工場にかけあい、無給で働く代わりに自分の生地を創らせてもらうことに。

 

朝4時から午前中いっぱいは魚市場で働き、生活費を稼ぐ。

睡眠時間は毎日3時間。

服はほとんど売れない。

 

皆川さんいわく。

楽しいとか、つまらないとか、うまくいくとか、いかないとかということで、この職業を捨てることはないし、それによって自分の仕事を計ることもなく、とにかく続けること。

 

泣くね。

(´;ω;`)ウッ…

 

もうね、揺るぎない信念ですよ。

信念が皆川さんを支えている。

 

楽しくてもつまらなくても、絶対にやめない。

儲かっても儲からなくても、絶対にやめない。

とにかく絶対にやめない。続ける。

ひたむきに、自分を信じて、自分のスタイルを貫く。

 

こうやって、どこまでもどこまでも、自分を信じて、自分の道を歩き続けていけば、誰も到達できない場所まで辿り着くことができるんだね。たとえどれだけ時間がかかろうとも。

 

安易に、短絡的に、答えが手に入るなんて思っちゃいけないね。

ちょっと思い通りに行かないだけで、簡単にあきらめるもんじゃないね。

それが本当に、自分がやりたいことだとしたら、簡単に投げ出すべきじゃない。

 

そういうことを、皆川さんは教えてくれる。

 

 

まとめ、というか、まとめなんてどうでもいい。 

皆川さんのブランド「ミナ・ぺルホネン」の商品は、結構、値段が高いと思うのよ、勝手な想像だけど。

そう簡単に買える値段じゃないと思う。

でも、そこには、

その商品…というか作品を身に付けると「皆川スピリット」に触れることが出来るという絶対的な利点?がある…ような気がする。

 

先ほども引用したけど、皆川さんは、服を次々に買い替えるようなライフスタイルを推奨していません。

愛着のある一着を長く着る。

そういう人に向けて、服づくりをしている。

非常~に好感が持てます。

 

逆に、金儲け第一に考えているブランドであれば、顧客には頻繁に服を買い替えることを要求してきますからね。

流行だとか、なんだとか、とにかく購買意欲を煽って、商品を買わせようとする。

個人的には、こういうの、あんまり好きじゃない。

 

私は、地獄みたいに貧乏な時期も長かったし、元来、貧乏性なので、まだ着ることが出来る服を捨てちゃうとか買い替えちゃうとか、ちょっとできないんですよね…。

 

最後、ボロボロになるまで着て、その服の「天寿を全う」させてあげたい。

そのためには、長く着られる、本当に愛着が持てるものを選ばざるをえない。

そんな感じなので、皆川さんのスタンスが非常に好きなのです。

 

とにかく。

全然、まとめられませんけど、良かったです。

皆川さんのプロフェッショナルが観れて。