ブラッド・ピットが超絶的にカッコイイ悪のカリスマ「タイラー・ダーデン」を演じた映画「Fight Club(ファイト・クラブ)」は1999年公開の映画だが、いまだに熱狂的なファンが多い。
当然のごとく、私も大ファンの1人だ。
(VHSは吹き替え版と字幕版、両方とも所有)
先ほどちょっと調べてみたら、
「タイラーの名言」を取り上げたサイトがいくつもあったし、twitter(ツイッター)のニックネームを「タイラー・ダーデン」もしくは「タイラーダーデン」としているアカウントがたくさんあった。
「IMDb」のランキングを見れば「ファイトクラブ」がどれほどの人気なのかを知る事が出来る。
現在、Internet Movie Database(インターネット・ムービー・データベース、略称:IMDb)でのユーザーによる評価のランキングは古今東西、全映画の中で第10位だ。
(ちなみにランキング1位は「ショーシャンクの空に」です)
Tyler Durden | All Movies Wallpapers
そして、映画「ファイト・クラブ」にまつわるエピソードもまた、非常に興味深い。
この作品は基本的に賞レースとは、ほぼ無縁だった。
すなわち権威ある者たちからの評価は得られなかった。
興行収入的にも散々な有様で、万人に受けたとは言えない。
評論家からは(映画内で死んでいるのは一人にもかかわらず)あまりにも暴力的だと非難された上、公開当初は製作費を回収できずフォックス重役が何人も解雇される事態となった。
2008年に英国最大の映画雑誌『エンパイア』が、読者1万人、ハリウッドの映画関係者150人、映画評論家50人を対象に「過去最高の映画」に関するアンケート調査を行い「歴代最高の映画ランキング500(The 500 Greatest Movies of All Time)」を発表した。
その結果、『ファイト・クラブ』が10位にランクインした。また、同年に同誌が「最高の映画キャラクター100人(The 100 Greatest Movie Characters)」の調査を行ったところ、栄えある1位に輝いたのは、『ファイト・クラブ』でブラット・ピットが演じたタイラー・ダーデンだった。
「ファイトクラブ」は、客も入らず、批評家にもウケなかった。
しかしそれでもなお、熱狂的なファンが桁外れに多いのは何故なのか?
映画を観ればそれが分かる。
あなたの心の中に「普段は押さえこんでいる、煮えたぎるような何か」があるのならば。
ちなみに、ミスチルの桜井和寿は映画「ファイトクラブ」をモチーフにして曲をつくっている。
「ファイトクラブ」は、分かる奴にしか分からないのかもしれない。
自分自身の無力さに頭を抱え、何度も絶望し、眠れない夜をいくつも乗り越えて来た者にしか支持されない映画なのかもしれない。
死を覚悟するほど まして殺されるほど 俺たちはもう特別じゃない
Mr children 『FIGHT CLUB』
「過激なミニマリスト」タイラー・ダーデンの名言集
「タイラー・ダーデンはミニマリスト(最小限主義者)だ」という記事。
タイラーの放った名言の数々を「ミニマリストの考え方」とよく似ていると捉え、ピックアップしています。
英語のサイトなので、よく分かりませんが、各セリフを訳して紹介しているブログがありました。
いくつか引用させていただきましょう。最高です。
(とりわけ私の魂にザックリ刺さった部分は太字にしました)
ミニマリストのための「ファイトクラブ」名言集 | パレオな男
なんでもできる自由が手に入るのは、すべてを失ってからだ。
仕事の中身でお前は決まらない。預金残高とも関係ない。持ってる車も関係ない。財布の中身も関係ない。クソみたいなファッションも関係ない。
文明生活の基本的な前提を拒否しろ。特に物を持つことの重要性を拒否しろ。
知識はクソだ。知ってることは忘れなきゃならない。それが、お前の問題だ。人生の知識なんて捨てろ。友人の記憶も捨てろ。特に俺とお前の記憶を捨てろ。
どん底に落ちるってのは、週末のレジャーなんかじゃない。クソなセミナーでもない。すべてをコントロールしようとするのを止めて、手放すんだ!手放せ!
痛みがなく、犠牲もなければ、何も得られない。
初めてファイトクラブに参加した者は、戦わねばならない。
もし、いまこれを読んでいるなら、この警告は君に宛てたものだ。この役立たずな高画質の画面で全ての文字を読んでも、君の人生はさらに無駄になるだけだ。他にすることはないのか? いまの瞬間をより良く過ごす方法を考えられないほど、君の人生は空っぽなのか? それとも、君が尊敬と信頼を抱く権威に感銘を受けちゃってるのか? 君は読めと言われたものをすべて読むのか? 考えろと言われたことをすべて考えるのか? 買えと言われたものをすべて買うのか? アパートを出ろ。異性に会え。過度の買い物とマスターベーションを止めろ。仕事を辞めろ。戦いを始めろ。生きていることを証明しろ。もし君が自分の存在を主張しないなら、君は統計データの1つになる。警告は以上だ。
これはお前の人生だ。そして、1分ごとに死に近づいている。
「ファイトクラブ」は、老若男女にオススメできる映画ではないが、このブログの読者なら、きっと気に入るんじゃないかと思う。
Tyler durden | All Movies Wallpapers
ただし、この映画を観終わった後に、倫理観や、自分の中の価値体系がグラグラに揺らいで、今までとは全く別の人生を歩む羽目になったとしても、私は責任は持たない。
タイラーに感化されてしまえば、もう二度と
「ロボットみたいに模範的で立派な社会人」へは戻れないだろう。
もう、逃げ回ることは出来ない。
自分をだますことは出来ない。
戦う以外の選択肢は無くなる。
今、自分が生きていることを確かめるために、ファイトするしかない。
ファイトクラブにはルールがある。
「ルールその1」と「ルールその2」は、あまりにも有名だ。
- ファイト・クラブについて口にしてはならない
- ファイト・クラブについて口にしてはならない
- 相手が "降参" を宣言するか、たとえ演技であっても気絶した場合、その時点でファイトは終了
- ファイトは一対一
- 一度に一ファイト
- シャツと靴は脱いで闘う
- ファイトに時間制限はなし
- ファイト・クラブに初めて参加したものは、必ずファイトしなければならない
人にはそれぞれの戦い方があるだろう。
必ずしも、他人と殴り合う必要など無い。
例えば、ヘンリー・ダーガーの戦い方を見てほしい。
私は彼の、全人生を懸けたファイトスタイルが最高に好きだ。
自分のファイトスタイルを見つけたら、あとは戦うだけだ。
生きてることを確かめろ!