今さらって感じですけど、凄かったですね、井上尚弥ドネア戦。
1ラウンド早々に決着がつく可能性もあるなと思って観てたんですけど、まさかまさかの展開で。
3~4回、「あっ…これは井上、負けるかな…?」って思いました。
いや~、ホントすごかった。すごい試合でした。
まずはこちらの、煽りV をどうぞ
【フジテレビ公式】井上尚弥vsノニト・ドネア<WBSSバンタム級トーナメント決勝>スペシャル動画①
試合開始早々に、井上が右目の上をカットする、まさかの展開。初っ端から井上大ピンチ。
第2ラウンドでしたっけ、井上尚弥、右目のまぶたの上から出血。
今まで、ほとんど顔面を殴られたこともないような、あのいつもきれいな顔の井上が、序盤から大ダメージを浴びるという、ウソみたいな展開。
なんだろうな、切った場所も良くなかったっていうかね。
よく、目じり(眉じり?)の方とか、眉毛の上あたりをカットする場面なんかは、ボクシングの試合で、ちょいちょい見かけますけどね。
井上は、まぶたの上、パックリ、いっちゃってましたからね。
あれは、血が目に入っちゃって、視界がかなり悪くなってたんじゃないでしょうか。
パックリ割れた傷も素早く応急処置をして頂いたおかげで綺麗に縫い終わる事が出来ました‼︎
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) November 8, 2019
こんなアクシデントもあるのがボクシング。
何が起こるかわからないから楽しい。
ボクシングは奥が深いね。 pic.twitter.com/5DFJiqMhEe
言うなれば、めちゃくちゃ大失敗した二重(ふたえ)の手術みたいな。
切れただけじゃなくて、もしかすると眼底骨折やっちゃったんじゃないか?っていうくらい、ヤバい雰囲気、漂ってました。
「あれっ?右目の周り、凹んでんじゃね?」って。
もしも次に同じ場所にパンチを食らったら、出血多量でドクターストップ、井上の負け、っていう可能性も十分にありましたからね。
そのくらい、パックリザックリ切れてました。
あ、今、そのへんの話の記事、見つけました。
引用。
――右目が見にくくなったが、詳しい状態は。
「2ラウンド目、3ラウンド目でしたかね…。あいまいですけど。左フックをもらって、そこから12ラウンドまでドネアが二重に見えていた状態が続いた。ちょっと見てもらったが、骨には異常がないかなという状況です」――7~9ラウンドで流れが悪くなった。9、10ラウンドの間に何を考えたか。
「自分のセコンドの中でポイントが7、8ラウンドいくまで取っているだろうという計算だった。1度、7、8は捨てるラウンドを作った。残り4、3ラウンドをしっかり取ろうという。目も全然見えてなかったので。右目がふさがり、血で見えなかった。右ストレートも打てない状態。だったら、ポイントアウトしようと作戦を切り替えた」
激闘制した井上尚弥「右ストレートも打てない状態」から作戦「切り替えた」― スポニチ Sponichi Annex 格闘技
あ~、やっぱ、見えてなかったんですね。
【追記】
先ほどこんなニュースを発見。
やっぱり井上尚弥選手、第2ラウンドに目と鼻を骨折してたようです。
プロボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=が右眼窩(がんか)底と鼻の右下の2か所を骨折する重傷を負っていたことが9日、分かった。
井上は取材に応じ、「パンチをもらって、ドネアが二重に見えて(患部が)しびれていたし、折れたかなという感覚があった」
略
「痛みがいつもと違った。パンチがかするだけで(患部が)ピリピリした。右目上のカットより目の状態が一番心配だった」
と振り返った。
いやいやいや、よくこの状態で最後まで戦ったよね…。
すごいよ、井上尚弥。
あ、あとさ、右目をカットしたことで、視界が悪くなっただけじゃなくて、いろいろプランが思い通りにならなかった部分、多かったと思うね。
まず、さかのぼって試合開始直後の話ね。
試合の入りで、井上はちょっと固くなってたかな、慎重になりすぎてるかな?って感じ、あったんじゃないかな~、ってのがひとつ。
サッカーとかでよく言うところの「相手をリスペクトしすぎ」っていうイメージね。
でもこれ、井上にとってドネアは、10代の頃からの目標だったり、お手本だったりしたレジェンドですからね。
そりゃ、いつも通りの平常心で、ってワケにはいかないだろうし。
んで、試合の入りがそんな感じだったうえで、調子が戻る前に、右目カットですよ。
これでもう、プラン崩壊だったと思うんですよね。
普段から、カットしやすいとか、勝っても負けても顔面を腫らしてる選手もいますけど、井上は、めったに致命的なパンチをもらわない選手ですからね、キレイな顔のまま試合を終わらせちゃうのが当たり前になってた部分もあったんでね。
本人も序盤でがっつり強烈なのもらってビックリしたと思うし、「やべーっ!」って動揺したと思うし、ましてや、ヤバい出血でしょ。
これねぇ、焦ったと思いますよ、本人も、セコンドも。
動揺したと思いますよ。
並の選手なら、立て直せないまま、終わってたと思いますよ。
んで、これ以上、傷が深くなって出血が増えたら、ドクターストップもあり得たんで、とにかくもう、右手はガード、ガード、ガードで。右目、守りっぱなし。
右でパンチ出してる場合じゃない。血が止まるまで傷口を守り続けなくちゃならない、みたいな状況に追い込まれて。
左手一本でしのぐような時間帯もあって。
こんなの、普通ならパニック状態でしょ。
特に、カットしたことなんて、初めてなんじゃないですかね?井上は。
それでも動揺しないってなんなんだ。
井上尚弥 右目上の傷で「やっとボクサーになれた感じ」「持ちこたえられた理由は息子の存在」― スポニチ Sponichi Annex 格闘技
初めて訪れた絶体絶命の大ピンチでも、冷静に対処して、しのいでしのいで、我慢して、最後にチャンスを見逃さなかった井上尚弥は、やっぱ凄いですよ。
劣勢の中でも、パニックに陥ることなく、平常心でいられる。
非凡ですよ。モンスターですよ。
あと、素人的には、11ラウンドのドネアのダウン…なんか…不自然…忖度?八百長?なんか不自然じゃね?って思ったんだけど…なるほど納得
なんか違和感があったんで、ちょっと調べたら、ドネア本人の談話がありました。
11ラウンドのダウンシーン。井上のボディーアッパーで左脇腹をえぐられ、苦しみながら両膝をついたが、「あのボディーはさすがに効いたよ。ただ、あのまま踏ん張り、もう一発食らっていたら、完全にKOされていただろう。だから自分からダウンしたんだ」と告白。最後まで勝利の可能性を探っていた。
なるほど。
あの場面、本当のことをいうと、ダウンしないで立ち続けることも不可能ではなかったんですね。
だけど、
我慢して立ち続けてもう一発食らって万事休す、っていう可能性もあった、と。
だから、少しでも回復を図るために、時間稼ぎも含めて、自分の判断で意図的にヒザをついたんだ、って話。
なるほどなるほど。
それで、自分からダウンした感じになったんだ。忖度でも八百長でもないけど、自分から積極的にヒザをついた、って感じになったんだね。
腑に落ちました。
まぁ~それにしても、良い試合でした。井上が強いのは分かってたけど、ドネアも強かったよ。ホント。
ドネアのパンチが、あんなに当たるとは思わなかったね。
井上、けっこうグラついてたもんね。
ホントに、「あっ、こりゃ負けるのか…?」って何回も思ったし。
まぁ今回の試合は、井上は右目が見えてなかったし、もう一回戦ったらどうなるかは分からんけどね。
次はさらに進化した井上が、圧倒して勝利するような気もするし。
いずれにせよ、非常~~にナイスゲームでした!
面白かった!
ありがとう、ドネア!
ありがとう、井上尚弥!