実力勝負の結果、全ての医者が女性になるなら、それはそれでOK

広告

旬が過ぎちゃった話題ですけど、ちょっとね~、心に引っかかる記事を見つけちゃって。今さらあえて言及。

漫画家の小林よしのり先生のブログなんですけどね。

「男女平等なんか、大した価値ではない!」と言い切ってるわけなんですが…。

 

すごく衝撃的なのは、ドイツの病院で働く日本人女医さんが「治療を受けるなら断然、日本が良い」って答えてること。

東京医大が、入学試験の際に女性受験生を一律に減点していたことが問題になった後にさ、

「日本は、男女平等のドイツを見習え!ドイツの女性医師率は45%だぞ!」みたいな話になってたと思うんですよ。

 

ところが、実際にドイツで働いている女医さんに話を聞いてみると

「もしも自分が患者の立場なら、断然、日本の病院で治療を受けたい」

って答えてる、という話ね。

 

BLOGOSで見かけた記事なんですが、元記事は小林よしのり先生のブログらしいので、そちらのリンクを。

 

赤ひげ先生を守れ!

https://yoshinori-kobayashi.com/16560/

 

一部抜粋。

 

わしの主張は、女医を増やすことを目的に、男女平等を絶対目標として、欧州の医療システムを導入することをやめてくれ!これに尽きる。

ドイツの病院で働く日本人女医の話はわしに一番、影響を与えた。

この女医さん、日本とドイツ、どちらの治療を受けたいか?と尋ねたら、「だんぜん日本です」と答える。

ドイツでは
「入院すると、担当の医師が毎日違う人に変わるのはよくあることです。手術についても、病棟や外来医での担当医と、実際に手術を行う医師は異なることが少なくありません。」

「ときには、手術の内容を説明した医師から〈私は明日から休暇なので、執刀は別の人にお願いしておきますね〉と言われることまであったりします。」

「日本にいた頃は、命に関わる手術に臨むのだから、患者さんは医師との信頼関係を結んだうえで信頼して身をゆだねる。だからこそ医師も、忙しい中に無理をしてでも手術をねじ込む、という意識があったように思います。」

「しかし、ドイツのような働き方を完全に導入することは、いまの日本の社会環境では難しい気もします。根本のメンタリティが違うというか・・」

さすが、実際に欧州・ドイツの医療機関で働いている女医の感想だ。
文化の違い、国民性の違いを感じているのだろう。

 

ドイツ在住の女性医師、 

「男女平等のドイツの医療現場は素晴らしいです!日本はダメ!」

って言うのかと思ったら、

「自分が患者の立場なら、日本の病院で治療したい」

ってのが本音っていう。

小林よしのり先生同様、私の中でも、そこが一番の衝撃ポイントね。

 

結局これってさ、

「つなひき」みたいなもんなんじゃね?

 

「患者ファースト」を目指せば、医者にしわ寄せが行くし、

医療従事者への負担を軽減し、現場の環境改善を進めれば、患者へのサービスは今までよりも制限される、って話のような。

 

あちらを立てればこちらが立たず、的な。

 

医者も患者もウインウイン、みたいな夢みたいな話は無いんじゃね?っていう。

 

少なくとも、今の仕組みの上であちこち手直ししても、どうにもならんような気がしますね。

やるなら、根本的なところから、土台から全部、作り変えていくしかないような。

 

まぁとにかくですよ

「日本の医療がダメで、ドイツの医療が良い」みたいな、簡単な話じゃないってことは分かりましたね。

そんな薄っぺらくて短絡的な話じゃなかった。

 

 

小林よしのり先生が読んだのは、BLOGOSのこの記事だと思う。

blogos.com

 

ようするにね「円満解決」みたいな、全ての人にとって都合の良い話なんてのは、おそらく無いんですよね。

医者も、患者も、みんなが少しずつ我慢する。妥協する。

そうやって折り合いをつけていくしかない。

 

象徴的な部分だけ抜粋。

 

Q)すべてが理想的に回っているわけではない、ということなんですね。日本とドイツの両方の医療現場を体験して、印象に残ったことはありますか?

日本との文化の違いは、強く感じます。こちらでは、女性医師が働くことによって生じる問題がある場合に、理想論を戦わせるのではなく、みんなで「妥協する」ことによって乗り越えようとする意識を感じます。

たとえばドイツの病院では、予定されていた手術の開始時刻が何かの事情で遅れて、16時(医師の終業時間)までに終わらなさそうだとすると、緊急のものでなければ翌日以降に延期になります。

日本の感覚からすると違和感があるかもしれませんが、ドイツでは当然のことと受け止められています。医療者だけでなく、患者を含めた皆の協力と理解があってこそ成り立っているんです。

 

 

理想論を戦わせるのではなく、みんなで「妥協する」ことによって乗り越えようとする

なるほど、これですよ。

 

患者は

「今すぐ、オレを治療しろよ!」

って主張するだろうけど、

医者は

「私は私の権利を守って、今日はもう帰ります。治療はしない」

って言う。

 

医者にだって、ちゃんと休む権利がある。

おそらく、それが正解なんじゃないかと思いますね。

少なくとも今の時点では。

 

 

実力勝負の結果、全ての医者が女性になるのであれば、それはそれで受け入れればいいじゃないか。

東京医大が、

「実力勝負で入学試験を行えば、合格者が全員、女性になってしまう」

みたいなこと言って、男が合格するように点数を意図的に操作してたじゃないですか。

 

いや、でもこれさぁ、操作しなくてもイイじゃんね、別に。

合格者が全員女性でもよくね?

実力勝負の結果、全ての医者が女性になったのなら、社会は、それを受け入れるしかないんじゃね?

否も応もなく、それ前提の仕組みを作っていくしかないんじゃね?

 

女医さんばかりになって、みんなが育児休暇を取った場合、人手不足で病院が回らない、って話だけどさ、

いいじゃないですか。

病院が回らないなら回らないで。

 

ドイツみたいに、患者も妥協すりゃいいんですよ。

 

全ての生きとし生ける患者たちが、これも運命だと受け入れて、待つしかないんじゃないのかな。

 

毎年毎年、新しく現場に飛び込んでくる医者の全てが女性になったとしたら、その時にはまた、まったく違った勤務形態とか、新しいシステムが必然的に生み出されるでしょう。そんなのは時間の問題だよ。

 

 

ドイツでも女性医師の割合はどんどん増え続けているそうです。

 

こちらの場合、大学入試は日本のような一発受験ではなく、高校時代を通じての成績で評価されます。

 よく言われているのは、女性はコツコツまじめに授業を受ける人が多いので、入試に通りやすい傾向があるということです。先日聞いた講演では「いま大学の医学生は6-7割が女性」と言っていました。

 

ドイツでは、6~7割の医学生が女性だってさ。

 

日本の医大はこれからどうなるんでしょうかね~。

これからも、合格者の男女比を操作し続けるんでしょうかね~。

それとも純粋に、実力通りで合格者が決まるような「健全」な世の中になるのかな~。