話題のタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』が面白かったです。
タイ国内で横行する「学校への賄賂」や、厳しい「受験戦争」など、重苦しい社会問題をポップな斬り口で描いています。
ちょっと笑えて、ハラハラドキドキ、そして考えさせられるナイスな映画です。
高校生たちの「オーシャンズ11」!スケールがデカいのか小さいのか!?でも間違いなく、緊迫感ハンパない!
今回もワタクシ、相方に連れられて映画館へと赴きました。
相方が事前にチョイスした映画のタイトル、内容などは、知らされておらず、完全に予備知識なしでの映画鑑賞です。
これを通称、我々専門家は『ミステリートレイン方式』と呼んでおります。
いざ映画が始まってみると、なんと、タイの映画!
本当は、予告編さえ観ずに、いきなり本編を観た方が、より一層ドキドキワクワクできるんじゃないかと思いますが、一応、予告動画、貼っておきます。
映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』予告篇
中国、香港、台湾、マレーシア、ベトナム…8つの国と地域で
タイ映画史上歴代No.1の大ヒットを記録!!
米映画批評サイト・ロッテントマトでは堂々の92% FRESH!『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
高校生の”犯罪チーム”が知恵と度胸を武器に世界を股にかけた大プロジェクトに挑む!
9月22日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
顔だちも日本人と近いし、タイの高校生たちの様子を、親近感たっぷりに受け入れることができます。
「真面目だけど冴えないお父さん」の役とかね、タイでも日本と同じような雰囲気で描かれていたりして。
Introduction
“高校生版「オーシャンズ11」”の呼び声高く、世界16の国と地域で、サプライズ大ヒット!
スタイリッシュでスリリングな、第一級クライム・エンタテインメント!世界16の国と地域でサプライズ大ヒットを記録し、そのうち、中国・香港・台湾・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・マカオ・フィリピンではタイ映画史上歴代興収第一位の座につきアジアを席捲した話題作がいよいよ日本に上陸します。
タイ・アカデミー賞とよばれる第27回スパンナホン賞で監督賞、主演女優賞、主演男優賞をはじめとした史上最多12部門を受賞した本作は、米批評家サイトRotten Tomatoesでも堂々の92%FRESHを記録しています。
一人の天才少女をリーダーに、高校生の犯罪チームが頭脳と度胸だけを武器に世界を股にかけたカンニング・プロジェクトを仕掛ける第一級のクライム・エンタテインメントです。
物語の背景になっているのは、近年発展目覚ましいアジア各国で深刻な社会問題となっている熾烈な受験戦争。
中国で実際に起きた集団不正入試事件をモチーフに、カンニングをスタイリッシュ、かつスリリングに描き、世界各国のメディアで絶賛。
“まるで高校生版「オーシャンズ11」だ!”(-ヴァラエティ紙)などの声が上がりました。
タイ国内だけではなく、アジア中で大ヒット中!
ネタバレしたくないので、ここでは、あんまり内容には触れませんヨ。興味を持たれた方はぜひ映画館で観てね!
本当は、良くないことなんですけどね~、カンニング。
主人公たちがやろうとしていることは悪いことなんです。
それは分かってるんだけどさ。
分かってはいるんだけど…。
最初は些細なはずだったカンニングが、どんどん規模がデカくなっていって。
とんでもない大金が動くようになっていって。
もはや、軽々しく引き返せないほど、多くの人を巻き込んでいって。
映画のクライマックスでは、いつの間にか、主人公たちを応援しちゃっている私がおりましたw
次から次へと巻き起こる、不測の事態。
カンニングは成功するのか?それとも見つかってしまうのか?
いつの間にか、
(頼む~!どうか、このピンチを切り抜けてくれ~!)
って、拝むような気持ちで観ていた私。
とはいえ、カンニングはダメです。良い子はマネしないようにね。
天才高校生に「汚いやり方でカネを稼いでいるのは大人たちも一緒でしょ?」って言われたら、ぐうの音も出ない。
非常に風刺が効いているというか。
考えさせられます。
実際ね、大人たちだって、汚いことやりまくってるんですよね。
卑怯な連中が偉そうにふんぞり返ってるんですよね。
テストの点数を水増しするとか。減点するとか。
そんなの、当たり前のように蔓延ってますよ。
データの改ざんとか、証拠のもみ消しとか。
そんなニュース、毎日流れてる。垂れ流しですよ。ダダ漏れですよ。
賄賂とか、裏金とか。
談合とか、癒着とか。
何度取り締まっても、キリがない。
一向に無くなる気配など無い。誰も反省なんてしていない。
現実って、こんなもんです。
カンニングを取り締まるはずの学校側だって、金持ちのボンボンの親からは、多額の寄付金を受け取って、その分、アホ息子の振る舞いを大目に見ているってのが現状なんじゃね?
世の中、そんなもんじゃないですか、ねぇ?
ちなみにこの映画『バッド・ジーニアス』も、中国で実際に起きた集団不正入試事件をモチーフにしています。
冗談みたいな話ですが、冗談じゃないんだよね。現実なんよね。
深刻な社会問題をPOPに斬る!こういうの、嫌いじゃないです。むしろ大好物。
こんな記事を発見。
ナタウット・プーンピリヤ監督へのインタビュー。
一部抜粋。
ー現在のタイでは学歴などの格差も広がり、お金持ちの家庭が子どもの入学のために学校へ賄賂を渡すことが社会問題となりつつある、ということなのでしょうか?
プーンピリヤ:昔から確かに大きな問題ではあるのですが、もうみんな慣れすぎてしまって、問題視すらしていないという状態です。入学に際しての賄賂が悪いとも思っていない。有名な学校の場合、学生の質で選考しているのではなく、どれだけ家がお金を払ってくれるかで選んでいると言っても過言ではない。だから、お金が無い学生はチャンスをもらえないことがとても多いです。
賄賂を渡すことが当たり前になり過ぎてしまっている社会。
嫌だね~。お金がすべてを支配してしまっている。
一度こうなっちゃうと、もうダメなんだろうかね。
賄賂を厳しく取り締まる法案を通すために賄賂が必要だったりしてね。
もう、泥沼よ。
著名人から寄せられたコメントを公式サイトから、いくつか。
スリリングすぎるカンニングに手の汗が止まりません。 カンニングする人の勇気にリスペクトすらこみ上げます。 精神的にはカンニングより普通に勉強したほうが全然ラクだと実感、 一周回って道徳的な映画です。
辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
この映画はスタイリッシュで社会性も含まれていて 尚且つエンターテェーメントな作品で本当に嫉妬しました。 自分もこんな映画を世に送り出したい。 同世代の監督がをれを成し遂げてしまって 絶望感と希望感が混合して心の中をさまよってました。 一人でも多くの方にみてもらうべき映画だと思います。
森ガキ侑大(CMディレクター/映画監督)
あとは…アレだね、主犯格の4人がイケメン&イケウーメン揃い。
特に、「グレース(天真爛漫で女優志望だけど勉強が超苦手)」役を演じる女優さんが、日本人的にもドンズバの美人。
イッサヤー・ホースワン(Eisaya Hosuwan)さん。
久しぶりに、面白い映画に出会いました!
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
ワタシ的には星4つです!