日本を代表する動物写真家、岩合光昭。
岩合さんといえば「世界ネコ歩き」ですね。
ネコ歩きとは、ネコを探して歩くこと。
今回、我々取材班は、いわゆる谷根千(谷中、根津、千駄木)という日本屈指のネコ・バミューダ・トライアングルへ、潜入取材を試みました。
谷根千といえばネコ。ネコといえば谷根千。ゴールデンウィークの谷根千は、帰省ラッシュで集まったネコたちが、大渋滞しているのではないか?
我々取材班は、タカをくくっておりました。
「どうせもう、ネコのほうからどんどん寄ってきちゃうんでしょ?」
「ネコなんて探さなくても、街中に溢れているんでしょ?」
確かに日暮里駅を降りた瞬間、周囲にはそんな雰囲気が漂っておりました。
街じゅう、どの看板を見ても、ネコの写真やイラストが…。
これならもう、間違いない!
とりあえず、ネコがいそうな神社仏閣の境内へ。
うわ~。スゴイ形の巨木を発見。
何やら、由緒正しい歴史のある巨木のようです。
樹齢200年くらいなんでしょうか。
東京都指定天然記念物「延命院のシイ」とのこと。
さっそく、第1町ネコを発見。完全にプロ。
巨木の写真を撮っていると、奥の方から一匹のネコが、そそくさと目の前に登場。
第1町ネコ
「はいはい、お待たせ。どうぞ。写真撮りたいんでしょ。でも今、ノーメイクだからスッピンは撮らないでね。今回はバックショットだけよ。」
明らかにプロ。
ネコ自身が、自分から観光客の前まで歩いてきます。
「はい、どうぞ」的な。
触っても、全く逃げる気配がありません。
ただ、今回は顔面を撮影されたくなかったらしく、終始、後ろ向きでのポージング。
ネコの顔面を撮影するためには、天然記念物の巨木の看板よりも向こう側に回らなければなりませんので、今回は顔の写真は断念しました。
まぁ、無理して撮影する必要もないでしょう。
最初に入った寺院の境内であっけなく1匹目のネコGETですから、この先も、まだまだネコに出会えるでしょう。
かろうじてカメラだけを回りこませて、横顔を撮影。
さて、次のネコを探しに行きましょう。
我々が立ち去るそぶりを見せると、
第1町ネコは
「あっ、もうOK?お疲れ様です~」
とばかりに、間髪入れずに速やかに奥の方へと帰っていきました。
う~ん…。
完全にプロ。
仕事は仕事と完全に割り切っている様子。
第2町ネコを発見したが…早くも雲行きが怪しくなってきましたよ。
いわゆる「夕焼けだんだん」という名のついた、ゆるい階段の坂道を降りて「谷中ぎんざ」へと向かいます。
うわ~。それにしても人が多いな…。
ゴールデンウィークだからなぁ。
あと、ネコ目当ての人も結構いるようだし。
ゆるい階段の下で、さっそく第2町ネコを発見。今度はクロネコですね。
こんな人混みの中でも、ネコいるんだなぁ…。
さっそく撮影しよう。
・・・・・・
……と思ったら!
中日ドラゴンズの野球帽をかぶったヤンチャっぽい肥満児がネコに興味を示している!
クロネコは完全に警戒体制。逃げる気満々。
ふとっちょドラゴンが間合いを詰めると、クロネコはスピーディーに身をかわすように建物の陰へ。
あ~~写真撮れず…。
結局、撮影できたのはこの1枚だけ。ほぼ目しか写ってない…。
このあとクロネコは建物の隙間を奥の方へ去って行きました。
それにしても人が多い。
本当にこんなところをネコが歩いているのだろうか…?
ここからが泥沼。ネコがいないこと山のごとし。
さすがに商店街のど真ん中、これだけ人でごった返していれば、ネコの散歩もままならないのではないか…?
嫌な予感が脳裏をよぎりますが、とにかく探します。
ネコよけのペットボトルがアチコチに点在しているという事は、間違いなくネコがいる証拠!
山崎まさよしと同じレベルで探します。
いつでも捜しているよ どっかにネコの姿を
向かいのホーム 路地裏の窓 こんなとこにいるはずも…
いた!!
めっちゃ固そう!
いた!!
モラルのない飼い主がリード付けていないイヌだ!
今度こそいた~!!
何故、
路地裏にタヌキ!?
若干、ネコ探しノイローゼ。何を見てもネコに見えてくるという症状。
いや~…。
まさか、これほど苦戦するとは。
朝からネコを探して、まだ2匹ですよ。
しかも第2町ネコは「暗がりのクロネコ」という、実質ノーカウントのレベル。
う~ん…。
考え込むオレ。
デビルマンと同じレベルで、深く考え込んでおります。
う~ん…。
ネコ歩きがこれほど苛酷だとは思わなかった…。
実際、台湾では、ホウトンでもキュウフンでも、ネコが余裕で寄ってきたからなぁ…。
今回の谷根千だって、ゴールデンウィークじゃなかったら、もうちょっと楽にネコに会えたのではないか?
それにしても、ネコがいな……いた!
水飲んでる!
チャンス!
だぁ~!
逃げ足、はえぇ~~!
ケツしか写せねぇ~~!
第3町ネコ、警戒心がハンパねぇ。
疲労困憊。すでに日は落ちかけている。ネコは撮れていない。
第1町ネコ
正面からの写真撮れず。
第2町ネコ
暗闇の黒猫で実質「目」だけ。
第3町ネコ
ケツしか見ていない。
まさか、これほどまでに成果が無いとは…。
ちなみにこの日、イヌは15匹くらい目撃しました。
イヌはめちゃ多かったです。
しかも、飼い主がイヌの首にリードを繋いでいないケースを何度も見ました。
ちょっとびっくり。東京ではOKなんでしょうか。
ネコよけのペットボトルも本当にあちこちで見かけました。
ようするに、谷根千に住んでる人はみんなネコが好き、と言うわけでもないんですよね。
「ネコがたくさんいる町」というのを売りにしていて、実際にネコグッズを販売しているお店も大量に存在しています。
ネコ目当ての観光客も大勢来て、お金を落としていってるはず。
しかし、その反面
「ネコなんて好きじゃない、迷惑だ」と感じている地元の人も大勢いらっしゃるというのが現実なんでしょうなぁ。
「ネコを捨てるのは犯罪です」という看板も見ましたし、いろいろと問題を抱えているんだなぁと、改めて考えさせられました。
最後に谷中霊園あたりを通って、駅まで戻ることに。完全にグロッキー気味。
いや~疲れた。
岩合さんも、こんな感じでネコを探しているんだろうか。
いや、きっと岩合さんなら
「ゴールデンウイークに谷根千でネコ歩きは自殺行為だよ」と言うだろう。
はぁ~……凹むわ~。
・・・!
いた!ウンコしてる!
はっぱをかぶせて…と。
逃げられた!
めちゃめちゃ神経質で、全然距離を詰められない。
このお腹、多分、妊娠中なんじゃないだろうか。
とても警戒心が強かったので、結局近づくことも出来ず、まともな写真は撮れなかった…。
第4町ネコ
ウンコ中と葉っぱかけてる姿を撮影。
今回の谷根千ネコ歩きは、恐ろしいくらいに大失敗に終わりました。
ちょっと甘く見ていました。
次回からは用意周到、しっかりリサーチしてから挑みたいと思います。
楽しみにしてくれていた全国70億人のネコ歩きファンの皆さま、どうもすいませんでした。
余談ですが、これから谷根千ネコ歩きにチャレンジする方はコチラを参考にしてみてはいかがでしょうか。
「猫巡りマップ」なるものが存在していたんですね~。
最初からこれを知っていれば、もうちょっと善戦できたかもなぁ~。
まずは「ねんねこ家」へ行こう
谷中で猫を探したいのならば、まず「ねんねこ家」へ行くのが正解だ。
ここは猫に関するグッズが山のようにあり、猫関係の飲食も可能。
しかも、猫に出会える可能性もある。
そして猫マップを手に入れよう
なによりここに寄りたいのは、「谷中猫町巡りマップ」がもらえるからだ。
この手書きの地図はなかなかよくできていて、地図上には「猫が多い処」などのポイントが記されている。
ねんねこ屋のHP。
で、これが猫巡りマップのようです。
下の画像は2008年度版となっていますので、最新版を入手するために「ねんねこ家」を訪れてみるとよいでしょう。
http://tarotetu.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-b2bd.html
さて。
ず~っと先送りになっていた、台湾の猫村「猴硐(ホウトン)」での現地取材に関する記事。
期待せずに、もう少々お待ちください。