あれはまだ、私が20代の頃でした。
人生に行き詰まり、全てを捨てて逃げるように、自転車で日本各地を旅していた頃の話です…。
あの日はねぇ、すごい雨が降っていました…。
沖縄から九州へと折り返し、日本海沿岸のルートを辿って、北上していた時のことです…。
怖いな~怖いな~…。
ネコ川淳二です。
何が怖いってね、当時の~私は~
何も考えていませんでしたからね、
梅雨前線と~共に~
北上しちゃってるんですよね~…。
嫌だな~怖いな~。
あれぇ~?
雨ってこんなに毎日、降ってたかなぁ~
って思ったら、
・・・・・・
梅雨…前線と…同じペースで…
移動してたんですねぇ…。
怖いな~怖いな~…。
あれぇ~…?
おかしいなぁ~…
稲川淳二のぉ~口調を~
表現しようと~思うと~
クソめんどくさいなぁ~…
怖いな怖いな~…
・・・・・・
(普通に書くことにしよう)
毎日のように雨が続くわけですよ。
ヘタすると、数日降りっぱなしで、ず~っとテントの中でじっとしていなければならない状況です。
とりあえず、湿っている衣類が全然、乾かないので、持ってる服は全部、カビが生えてしまいました。
財布もカビちゃったし、ゴアテックスのカッパもカビてしまいました…。
怖いな~怖いな~。
そんな中、事件は起きました。あれはどこだったかなぁ~…。さびれたちいさな漁村だったような…。
その日も、あいにくの天気でしたので、自転車での移動は明るいうちに早々に切り上げようと思い、寝床を物色しながらチャリをこいでいました。
とにかく雨が降ってますからね、建物の軒先など、雨のあたらない場所でテントを張りたいわけです。
どこか、雨風をしのげるような場所で、勝手にテントを張って寝ていても怒られない場所は無いかな~…と思いながら海沿いの道を走っていると、何やら謎の建造物を発見。
あれは何か、元々は売店のようなものだったのか…あるいはインフォメーションセンターだったのか…。
すでに閉鎖されていると思われる何らかの小さな施設がね、海辺にポツンと佇んでおりました。
記憶があいまいで、ハッキリとは思い出せませんが…あれはなんだったのかなぁ…。
とにかくその軒下がずいぶん広くて、雨をしのぐには十分のスペースがありました。
「これぞ天の助け!今夜はここで寝るしかない!」そう思いましたね。
ただ、気になることが1点だけありました。いや、2点ですね。
軒下にね、犬のうんこが鎮座してたんですよね…両サイドに。
一応、人間ではなく犬の仕業だったと信じたいです。
んで、すごく悩んだんですけどね、もうこっちは疲労困憊の状態ですし、とにかく、うんことうんこの間には十分なスペースがありましたから、そこにテントを張って、とにかく休もう、と決めました。
何なんすかね、左右に振り分ける感覚。
何かシーサーとか狛犬みたいな、深い意味合いでもあったんでしょうかね。
そのへんはちょっとよく分かりません。
その日の夜…。
とにかく無事にテントを設営し、くつろぐことができました。
両サイドには、うんこがセッティングされたままですが、放置プレーです。
一度は「うんこたちを片付けた方がいいかな…?」
と迷ったんですが、
やはり、何と言いましょうか。
私はナチュラリストですから、自然界にあるものは、可能な限り、そのままにしておきたい、という気持ちが強いんですね。
ネイチャー・自由ネコ。
自然の法則にのっとったものは、すべて美しい。
すなわち、いぬのうんこの配列でさえも、ちゃんと意味があるのではないか?
そんなふうに考えたわけです。
まぁウソですけどね。
唐突ですが。
皆さんは、夜の海の怖さをご存知でしょうか…。
真っ暗闇でね、なにかこう…引き込まれてしまいそうな。
はたまた、海から何か得体の知れないものが上がってきそうな…。
・・・・・・
どう?
怖くない?
外は土砂降りの雨。
荒れ狂う風、そして押し寄せる波…。
真っ暗闇の中、私はひとり、テントの中…。
・・・・・・・・・
超怖くないですか。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
無理矢理、怖がらせようとしてますね…。
翌朝。
何事もなく、一夜が明けました。
さて!
テントを撤収して、今日もチャリで走るか!
私はそそくさと荷物をまとめ、出発の準備を始めました。
そして、テントをたたもうとした時…!
あぶねっ!
うんこじゃん!
もうね、一晩経過したら、テントの外のうんこのことなんて、すっかり忘れてましたね。
危うく、ガッツリ踏んでしまうところでした…。
いや~…危なかった…。
要注意だな…。
私はホッと胸をなでおろし、後ずさりしたその足で、逆サイドのうんこを踏み抜いてしまいました。
・・・・・・・・・
to be continued…!
いかがでしたでしょうか。
真夏のスペシャル企画。
夏期特別篇、世にも奇妙な怖い話、いかがでしたでしょうか。
楽しんでいただけましたでしょうか。
皆さんも、犬のうんこには気をつけた方がいいですよ…。
ふっふっふ…
次にうんこを踏むのは…あなたかも…知れません。