生きづらさを抱える人は、世渡り上手な人の生き方を参考にしても、得るものが少ないんじゃないかと思います。
(全く無いとは言わないけど。)
もっと言ってしまえば、得るものがないどころか、マイナスに作用してしまうことも多いんじゃないかと。
うらやんだり、嫉妬したり、落ち込んだり。
そういうことになりかねません。
ちょっと分かり易く例えるとさ、
将棋の羽生さんが、イチロー選手の著書を読んで
「オレ、プロ野球選手になる!」
って決意したとして。
何故か「羽生マジック」によって、精神と肉体は25歳くらいの状態を今後10年間、キープできたとして。
イチローみたいになれるのか?っていうと、多分なれませんよ。
羽生さんが、将棋にかけた情熱と全く同じ熱量で、野球に取り組んだとしても、きっとイチローどころか、プロ野球選手にさえなれないと思う。
運動能力なんて、努力の前に才能とか遺伝が関係してるだろうから。
羽生さんがイチローから直接、指導を受けたって、プロテストに合格しないでしょう。
何年やっても、きっとダメなものはダメ。
人には、向き不向きがあるんだから。
適性がある。
自分の持ち味を発揮できるフィールドを選べるかどうか?
実はそれが大事だったりするわけ。
逆に言うと、イチロー選手がどれだけ頑張っても、羽生さんレベルの棋士になれないのと同じ。
自分が輝ける場所を知るって事が大事。
自分の持ち味を知るって事が大事……というような童話を以前、書いたわけですが。
(絵本化希望)
私の場合、「自分にないものを所有している偉人」をお手本にすることの無意味さや危険性に気づいてからは、アンテナの周波数?も変わりましたね。
自分にとって参考になる偉人を見つけないとダメなんだよね。
どんなに凄い人の本を読んでも、参考にならないんですよ。
むしろ、凄ければ凄いほど、参考にならない。
厳密に言うと、参考にできないんですね。
だって、その偉人が持ってる武器と、私の持ってる武器が違うんだから。
(そもそも武器を持っていない丸腰の可能性もアリ…)
例えば、私はAKIRA(杉山明)さんというアーティストのブログをよく読むんですがね。
人間として、めちゃめちゃ面白い人なんで。
これがもう、全く参考にならない。
参考にしようと思ったら、自己嫌悪に陥るだけです。
AKIRAさんは作家としても美術家としても凄いけど、コミュニケーション能力の高さが尋常じゃないと思うね。
一言で言えば
「すげーイイやつ」
なんだよな。
しかもとびっきりの。
これって、真似しようと思って真似できるもんじゃないよ。
AKIRAさんは、誰とでも友達になれちゃう。
「友情貯金なら長者番付に載る」
って言ってるくらい、めちゃめちゃ友達が多いんです。
多分、AKIRAさんは、誰かの悪口を言ったことが一回もない。
おそらく、高校生くらいから、一度も言ってないんじゃないのかな。
(なんかそういうエピソードがあったはず)
人間のスケールがデカすぎて、話にならん。
私はどちらかというと、孤独を愛するスナフキン体質なのでね。
無理なんですよ、大勢の友達を作って、上手に立ち振る舞うのとか。
このうえない苦痛。
できないものはできない。
無理して「人付き合い」を頑張っても、メンタルボロボロになって自爆するだけですから。
そっち方面での勝負は、勝ち目がないんです。
輝きようがないんですね。
そして、致命的なことを言ってしまえば、
人付き合いが出来ない人は、大きな成功を収めることはほぼ不可能です。
そりゃ当たり前ですよね。
人間が自分一人で出来ることなんて、たかが知れてます。
必ず他者の協力が必要になるんです。
他者との円滑な関係を築くことが出来ない人間は、その先の景色を見ることは出来ません。
じゃあどうする?
- 我慢して人付き合いをするか?
- 大きな成功をあきらめるか?
私は後者を選びました。
大きな成功なんて、もはや望んでおりません。
私が参考にしているのは、例えば良寛(りょうかん)のような生き方です。
良寛の生き方は、生きづらさを抱えた人、不器用な人、人付き合いが苦手な人のバイブルになるのではないか?
良寛に関する本はいろいろとあると思いますが、私がおすすめするのは、ひらがなで書かれた小学生用の伝記です。
これで十分。
むしろ、これこそが良寛が目指したものなんじゃないかと。
良寛は、江戸時代後期のお坊さん、らしいです。
正直そんな肩書なんかはどうでもいいんですけど。
細かいことはあんまり覚えてないんですが、良寛さんについて、ざっくり説明。
うろおぼえです。不確かな情報です。
興味を持った人は自分で調べて下さい。
良寛さんはもともと、けっこう、お金持ちの家に生まれたんですよ。何か商売をやってる家。
でね。
まぁようするに家業を継いで、2世のボンボン社長?としてやっていくことになるはずだったんですが、人付き合いが苦手なんですよね、良寛さん。
商売人としては、致命的なハンデ。
結局、家業を継ぐことは出来ずに、出家してしまいました。
いきなりレールから外れてしまった良寛さん。
しかし・・・
良寛さんは根は真面目ですからね、修行もコツコツとこなしちゃうので、そのうち、うっかり「偉いお坊さん」になっちゃいます。
ここでまた、良寛さんお得意の「不器用さ」が炸裂。
エライ人になっちゃうと、めんどくさい人付き合いをしなくちゃダメなんですよね。
いろいろあるんですよ、社交辞令とか、社交辞令とか、社交辞令とか。
「そういうの、超~うぜ~~」
ってなった良寛さん、なんかもう逃避行ですよね。
結局、乞食的な。
あちこち放浪して、野垂れ死にかな~ってところで、いろいろと世話してくれる村人の世話になって、ギリ生きてます、的な。
基本的には、山奥の東屋(あずまや)的な、ボロい掘っ立て小屋みたいなところに独りで住んでいます。
独居老人です。
それで、これはヤベェな、餓死するな、って思ったら、村まで降りていって托鉢という名の物乞い、みたいな。
良寛さんは、働いてません。
ニートというか、引きこもりというか。
なんか字を書いたり、和歌を詠んだり、あとは子供たちと手鞠で遊んだり。
そんな人生。
現役当時も、賛否両論あったらしいです。
「何だあのクソ坊主。食べ物せびってないで働けや!」
と、ディスってくる村人もいたらしいです。
ちゃんと良寛さんの中身を見抜いて
「ありがたい立派なお坊さんだ」
と、崇める村人もいたそうですが。
そんなこんなで、ギリ生きていた坊さん、それが良寛さんです。
私が参考にしている歴史上の偉人は、こういう感じです。
言ってみれば
「翼の折れたエンジェル」
です。
良寛の翼、バッキバキに折れてますよね。
だからこそ、我々のような、不器用な人間の希望の星?でもあるわけですよ。
こういう生き方も、ありなんだ、と。
勇気をもらえます。
器用にスイスイと生きてるような人の言葉なんて、ほとんど参考にならない。
「こういう風に生きればいいんだよ」
っていわれても、出来ねぇもんは出来ねぇんだよ。
人生の参考書は立派であれば立派であるほど良い、ってわけじゃない。
人間には「やりたいこと」と「できること」があって、それは決して同じじゃない。
「こんな人になりたい」
と
「そうなれる」
は別物。
そのへんを理解していないと、理想と現実の間で苦しむ事になります。
おそらく、
今、苦しんでいる人の多くは、これで自爆してるんだと思います。
「自分の持ち味を分かってない」
・・・これね。
不器用な人は、不器用なまま生きた偉人の生き様をお手本や参考にすることをオススメします。
そこに自分の参考になる「生き方のヒント」があるはずです。
例えば、こういった「無名のおばあちゃん」は、本当に理想的な師ですね。
コミュ障のカリスマ、ヘンリー・ダーガー。
誰とも関わらずに世界的な名声を得たアウトサイダーアーティスト。
「どう生きて良いのか全然わからねぇよ…」
っていう人は、まずはブログを始めてみよう。
小銭稼げるよ♪
まだ読者がほとんどいなかったときに書いた。
なんという名作(笑)