もし私がエチオピア人だったら、けっこうな勢いで死んでる可能性があります。
政府の弾圧が、えげつないらしいんですよね。
(多数の市民が治安部隊に殺害されている模様)
リオ・オリンピック関連の記事を読んでいて、発見しました。
エチオピアの選手に関する2つの記事。
えげつないです。エチオピア怖い。
「人種差別、えこひいき」の象徴? ポッチャリ体型だけど競泳男子100メートル自由形に出場しちゃったエチオピア水泳連盟会長の息子
今朝のテレビでは
「ポッチャリ体型の選手が競泳?愉快だな~!あははっ」
みたいな、
ちょっとほっこりするニュースとして放送していましたが、
国際ニュースのAFPBBでは、ちょっと違った論調で取り上げられています。
全く何の実績もない(国際大会に出たことがない)、ロベル・キロス・ハブテ(Robel Kiros Habte、24)選手が、何故オリンピックに出場できたのか。
何故、国民的英雄のマラソン選手を差し置いて、エチオピア選手団の旗手を務めることが出来たのか。
五輪惨敗の太め競泳選手、ネットで人気 母国エチオピアでは批判も 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
リオデジャネイロ五輪で今週行われた競泳男子100メートル自由形予選に出場し、他の選手らに競泳路の半分ほどの差を付けられて最下位で敗退したぽっちゃり体形のエチオピア代表選手がインターネット上で思わぬ人気を集めた一方、
母国エチオピアではコネで代表入りしたとして激しく批判されている。
(略)
母国エチオピアでは、ハブテが同国水泳連盟会長の息子であることから、コネによって代表入りを果たしたとの批判がネット上で相次いでいる。
また、ハブテが5日の開会式で旗手まで務めたことも非難の種となった。
国の誇りを担う大役が、エチオピアが世界に誇る一流陸上選手に与えられなかったことに国民からは怒りが噴出している。
あるフェイスブック(Facebook)ユーザーは「最下位になってもいい。誰かがならなきゃいけないでしょう? でも実力が全くないのに出場して国全体に恥をかかせるのは許されない。ロベルのような人がこの国には多すぎて、悲しい」と憤りをつづっている。
エチオピアではこのところ各地で激しい反政府デモが相次いでいるが、同国の首都アディスアベバ(Addis Ababa)在住のあるツイッター(Twitter)ユーザーは「ロベルはいま私たちが闘っている人種差別、えこひいき、無能さの象徴だ」と書き込んだ。
(略)
お家芸の陸上でも批判
エチオピアは陸上が強いが、リオ五輪にはこれまでに五輪で3度金メダルを獲得し、世界チャンピオンに5回輝いた陸上選手のケネニサ・ベケレ(Kenenisa Bekele)ではなく、より若く経験の浅いランナーが出場したことから同国の陸上連盟にも批判が集まっている。
実力よりも、コネとカネ。
エチオピアの深い闇です。
そして、本当に笑い事じゃない、命をかけてエチオピア政府に対する抗議の意志を表明したマラソン銀メダリスト
リオデジャネイロ五輪で21日に行われた陸上男子マラソンで銀メダルを獲得したエチオピア代表のフェイサ・リレサ(Feyisa Lilesa)が、
ゴールインする際に自国政府の弾圧に対して抗議を表明するポーズを取ったために、自分の命も危険にさらされる恐れがあると語った。
(略)
リレサは
「祖国では刑務所に入れられている身内が何人もいる」
と述べ、さらに
「民主主義について話をすると殺される。エチオピアに帰ったら私も殺されるか、投獄されるかもしれない」
「私の国は危険だ。別の国へ行かなければならないかもしれない。どこであれ、自由がない人々のために抗議した」
と語った。
人権団体によれば、エチオピアでは2つの主要地域、中西部のオロミア(Oromia)と北部のアムハラ(Amhara)で相次いで発生した反政府デモを当局が弾圧し、
この数週間で治安部隊によって多数の市民が殺害される事態に発展している。
エチオピア政府に対して不服の意志を表明すると、刑務所にぶち込まれます。
銀メダリストのリレサ選手の身内も、何人も投獄されているというではありませんか…!
「民主主義について話すと殺される」
とまで言っています。
メチャクチャです。
リレサ選手は、ゴール直前に、命がけで、エチオピア政府に対する抗議のポーズをとりました。
おそらく「もう2度とエチオピアの土地を踏めないかもしれない」とさえ思ったはず。
国に帰れば殺されるかもしれない、と語っていますから…。
亡命する覚悟だったと思います。
これだけのリスクを負ってまで、世界の人にエチオピアの現状を知らせたかったんだと思います。
悲壮な決意です…。
我々が、安倍だ、マリオだ、ってキャッキャ言ってる裏側で、
こんなドラマが繰り広げられていたわけです。
いや、
ドラマだなんて言葉で片づけちゃダメだよね…。
リレサ選手の命がけの抗議行動で、エチオピアは変わるのでしょうか?
世界は、変わるのでしょうか?
リレサ選手は、おそらくスタートラインに立った時から、心に決めていたでしょう。
最低でもメダルを取って、そしてゴールの瞬間に、抗議の意思を表明するんだ、と。
その結果、2度と祖国へは戻れないことになるとしても、エチオピアの悲惨な現状を世界に対して訴え続けるんだ、と。
どんな気持ちで42.195キロを走ったか、想像するだけで心が痛くなります。
エチオピア政府は、リレサ選手に対して「怖がらずに帰国したまえ」とは言っているものの…そんなもん、鵜呑みに出来るかっつ~の。
命懸けの抗議した男子マラソン銀メダリスト、エチオピア政府は「帰国を歓迎」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
エチオピア政府が、リオデジャネイロ五輪陸上男子マラソンで銀メダルを獲得した同国代表のフェイサ・リレサ(Feyisa Lilesa)は、帰国に際して何も恐れることはないと明言した。国営ラジオ局が22日、報じた。
(略)
エチオピア政府の広報官は国営ラジオ局に対し、「リレサには彼の政治的な立場によって問題が生じることはない」と述べた上で、
「五輪で政治的立場を表現すべきではないが、他の五輪選手団とともにリレサの帰国を歓迎する」と語った。
人権団体によれば、エチオピアでは2つの主要地域、中西部のオロミア(Oromia)と北部のアムハラ(Amhara)で相次いで発生した反政府デモを当局が弾圧し、この数週間で治安部隊によって多数の市民が殺害される事態に発展している。
リレサは21日に行われたレース後、「祖国では刑務所に入れられている身内がいる」と語っていた。
「民主主義について話をすると殺される。エチオピアに帰ったら私も殺されるか、投獄されるかもしれない」
「私の国は危険だ。別の国へ行かなければならないかもしれない。どこであれ、自由がない人々のために抗議した」
実際の話、リレサ選手の身内が、何人も牢屋にぶち込まれてる状態なのに、政府の言うことを信じることなんて出来ないでしょう。
エチオピア政府が
「大丈夫大丈夫。怒ってないから。普通に帰国してきなさい」
と、うすら笑いを浮かべているとしても、
それを信じることなんてできますかね?
大丈夫ですかね?
事故に見せかけて殺害とか、全然あり得ると思うんですけど。
今すぐ殺せば大きなニュースになりますが、2年後くらいなら…。
リレサ選手の身が心配なので、今、検索してみました。
エチオピアに帰国せず=抗議のメダリスト〔五輪〕:時事ドットコム
フェイサ・リレサ選手(26)の代理人は23日、リレサ選手は帰国しないとの見通しを示した。
21日の競技後にリレサ選手が殺害や投獄の恐れに言及したのに対し、エチオピア政府報道官は帰国しても同選手が困難に直面することはないと強調した。しかし、代理人はAFP通信に「多くの人が帰国するのは彼にとって良くないと言っている」と指摘した。
あ~…。
やはり、もう2度とエチオピアには帰れないんですね…。
もしかすると、銀メダルも剥奪されるかもしれません。
国に残してきた家族が殺害されるかもしれません。
いやいやいや…。
これが平和の祭典ですよ。
「そんなのしょせん、他人事だろ」では済ませられないモヤッと感。
ほぼ無力の私が出来る事といえば、こうしてブログに書くことで、1人でも多くの人に、この問題を知ってもらうことだけです。
だったら、書くしかないだろう!と。
弱小ブロガーなりに、出来る事をやらなければ。
たとえそれが、どんなに無意味に見えることだったとしても。
このエチオピアの話は、ちょっとスルーは出来なかった。
何かを感じた方々がいたとすれば、ツイートなり、シェアなり、自身のブログで言及するなり、何らかのアクションを起こしていただければ嬉しく思います。
(もちろん傍観者に徹してもいいと思います。知らんがな、ってね)
自分の頭で考えて、自分の意志で、自分自身に誇りが持てる行動を。
リレサ選手の100分の1でも勇気を。
あ、こんなのも発見。
リレサ選手を支援するサイトがあるようです。
この記事だけだと詳細は不明ですが、クラウドファンディング?とかやってるようです。
命懸けの抗議、共感広がる=民族弾圧訴えた五輪銀メダリスト-エチオピア:時事ドットコム
リレサ選手と家族を窮状から救おうと、共感した支援者がネットで不特定多数から資金を募る「クラウドファンディング」のサイトを開設。
私にできることは、ここまで。
バトンを渡すところまで。
あとは受け取った読者次第、ということで。
バタフライ・エフェクトを期待して。
世界が少しでも良くなることを期待して。
以上、弱小ブロガーでした。