恒例の「若者文化に言及シリーズ」です。
えっ?そんなシリーズあったのかって?
ごめん、無かったわ。
とにかく若者がかぶってるキャップですよ。
帽子のツバが一直線にピーンってなってるじゃん?
あれがどうもさ、違和感しか感じないのよ、ジジイだから。
最近のナウなヤングって、野球帽(ベースボールキャップ)的なのをかぶる時にさ、帽子のつば、ピイィーン!ってさせたままかぶるじゃん?
私の中で「帽子のつばピーンな人」ってこんな感じですよ。
このアルバムジャケットを初めて見た時の衝撃といったらなかったね。
怖っ!
っていうか、「帽子のつばのまっすぐ具合」を説明する時に、この画像のチョイスで正解なのか?っていう疑問を持たれた方もいると思います。
私も何か間違えたなって気がしております。
とにかくね、いかついラッパー、50セントの帽子のつばを見た時に、私は思ったのです。
これは、カッコイイのだろうか?アリなのだろうか?
でも、怖くて誰にも相談できない…!
50セントを敵に回したくない一心でしたからね、当時の私としては。
帽子のつばのことは、誰にも相談しないまま、お蔵入りとなってしまいました。
そして時は流れ、いつの間にか、若人のほぼ全てが、「帽子のつばピーン」へと移行していた…。
ふと気づくと、なんかもう、軒並み、ピーンとしてるじゃないですか。野球帽。
「ピーン派」が「キュイーン派」を駆逐する勢い。
帽子のつばをカーブさせる人々を「キュイーン派」というのかどうかは知りません。
なんか違う気がしますね。
キュイーンじゃないな。
ダイソンのキュイーンりょく。
そりゃ吸引力だ。
帽子のつばをカーブさせる人種は、「保守派」という事にしておきましょう。
しっくりいくネーミングが思いつきませんでした。
関連過去記事。
そもそも、どうして、キャップのつばをまっすぐにするようになったのか?うろおぼえ&仮説。
私の聞いた話によると、ちゃんとそれなりに理由があるみたいなんですよね。
まぁホントかどうかは知りませんが。
例えば、黒人のストリートのファッションって、服のサイズがダボダボだったりするけどさ、あれって、もともとは、お金がなくて、新品を買ってもらえない子供が多かったからだって話を聞いたことがあります。
お兄ちゃんのおさがりを着てるわけですね、貧しい家庭の子供たちは。
それで、服のサイズが体にあってないワケ。
ジャストサイズの洋服だと成長期にぐんと背が延びたら、服がきつくなって着られなくなっちゃう、ってのもあるでしょうね。
あらかじめ大きめの服なら、成長期の子供でも、多少は長く着られますからね。
例えばそんな感じで、ストリートのファッションには、その出自に、それなりに理由というか背景があるわけですね。
最近、キャップのつばに丸いシールが貼ったままでかぶってる若者も多いけど、あのへんも、それなりに理由があるらしいんだよね。
お古やおさがりではなく、オレのかぶってるキャップは買ったばかりの新品だよ!
というメッセージらしい。
貧しい家庭で育った子供たちにとっては、誰かの使い古しではなく、ド新品のキャップである、ということがある種の自慢というか、ステータスみたいなものなんでしょうね、きっと。
ということはおそらく、
帽子のつばをピーンとさせたままかぶるのも、新品であることをアピールするためと考えていいのかも知れません。
そのうち、それが流行となり一般化、本来の意味も分からずに白人たちも真似しだした…という事なのかも。
まぁ本当のところは分かりません。
興味を持たれた方は調べてみてはいかがでしょうか。
ところで、サッカーのネイマールが「帽子のつばピーン」をやっていても、まったく違和感を感じないのは何故だ?
サッカー選手のネイマールとかも、キャップをかぶる時、「帽子のつばピーン派」なんだけどさ、どういうわけか、違和感を感じないんだよね…。
むしろ、似合ってる。
っていうか、つばをカーブさせて「保守派」スタイルでかぶった方が、違和感を感じる可能性が高い。
これは一体、どういうことなんだろうか?
私は考えました。
そして、ひとつ、納得のいく結論を導き出しましたよ。
率直に申し上げましょう。
ネイマールはサッカー選手だからです!
サッカー選手が、野球帽を完璧にかぶりこなす方が違和感が発生するんだと思うんですよね。
イチロー選手がサッカーのユニフォームを着用しているところを想像してみると…膝上のハーフパンツが全然似合わなそうな気がするのと同様の原理ですね。
「サッカー選手がベースボールキャップをかぶる」という状況自体に、すでにモヤモヤ要素が混入してるんです。
ある種、「似合わなくて当然」みたいな免罪符を得ているといっても良い。
しっくりいってなくてもまぁ許しましょう、みたいに、心の中のハードルが下がってるんじゃないでしょうか。
そこへきて、ただでさえネイマールはナウなヤングですからね、「帽子のつばピーン」だった時に、われわれ中高年は
「なるほどなるほど、君は当然ピーン派だよね、うん、分かる分かる」
みたいに、勝手に納得しちゃってる可能性が高いわけです。
それゆえ、ネイマールがキャップをかぶる時に、帽子のつばピーンでも、全然違和感が無いんだと思うんですよね。
あっ、それと、そもそもネイマールがピーン以外のかぶり方をしているのを見たことが無い、っていうのも、関係してるかも知れません。
(ピーンを見慣れている、むしろ保守的なかぶり方をしているネイマールを見たことが無い)
私は何も、「ピーン派」が憎くて、こんなことを言ってるわけじゃないんですよ。むしろ、お互いに切磋琢磨して、これからのキャップ文化を盛り上げて行きたい。
ちょっと勘違いしてほしくないのが、私がピーン派を否定してるわけじゃない、っていうところです。
ピーン派が憎いとか、
ピーン派、だせぇとか、
そういうことでは無いんです。
なんだかんだで、われわれ中高年は、小学生時代の6年間、365日、毎日野球帽をかぶって生活していたわけです。
昔はJリーグもありませんでしたからね、基本的にはほぼ、野球一択なんです。
他の選択肢がありませんでしたから。
寝食を忘れて、キャップかぶりに没頭する日々。
サザエさんでも、中島が「いその、野球やろうぜ」って当たり前のように言っていますが、我々にとっては「やろうぜ」といえば野球だったのです。
「いその、サッカーやろうぜ」
とか
「いその、バンドやろうぜ」
とか
「いその、ドローン飛ばそうぜ」
とか、
そんな選択肢はなかった時代です。
われわれ中高年は、365日 × 6年、イコール2190日、うるう年をカウントしてそれ以上、鉄人衣笠よろしく、毎日毎日野球帽をかぶってきたわけです。
ベースボールキャップは、お肌を紫外線から守る唯一の砦に他ならなかったのです。
2190日以上連続で、帽子のつばをカーブさせ続けた、われわれ中高年が、帽子のつばピーンに違和感を感じてしまうのは、致しかたないことなのかも知れません。
もう、DNAに刷り込まれているのです。
「帽子のつばはカーブさせるもの」という、塩基の配列になっているのです。
ウミガメの赤ちゃんが、誰に教わったわけでもないのに、生まれてすぐにいっせいに海の方へと向かって這っていくのと同じです。
我々は物心ついた時には帽子のつばをカーブさせていた世代なのです…。
(ダッコちゃんを腕につける世代はもうちょっと前)
ただ、一つだけ言わせてほしい。若者のストリート発祥の文化に、本職のプロ野球選手の方から寄せていくってのはどうなんだ?
若者が生み出したベースボールキャップに関する流行に、仕事上で野球帽をかぶっている、いわば「本職の野球帽かぶりマン」であるプロ野球選手が乗っかるのはいかがなものかとちょっと思ってしまいます。
個人的には、野球帽のかぶり方に関する流行は、本職の野球選手が生み出していってほしい、という気持ちを拭い去れません…。
例えば、小学生がさ、
「◯◯選手の帽子のかぶり方がカッコいい!だからボク真似してるんだ」
っていうのは、アリじゃないですか。いいと思います。
でもこれが逆に
「先日、ストリートで見かけた若者の帽子のかぶり方をオレも真似しよう」
って、ベテランのプロ野球選手が言っていたら、モヤッとしません?
「いやいやいや、本職の野球帽かぶりマンのアナタが、キャップ歴の浅いアマチュアのかぶりこなしを受け売りで丸パクリしたらダメじゃん」
みたいな。
野球帽に関する流行の発信基地は、野球選手であってほしい!
というささやかな私の願望。
例えば昔、安室奈美恵ちゃんのファンたちが、そのファッションを真似してさ、「アムラー」と呼ばれる女の子たちが街に溢れていた時とかあったじゃないですか。
この場合、あくまでも、流行を創っていくのはファッションリーダー(歌手、タレント、著名人)であって、一般人は、その後を追う、という図式ですね。
これって、自然だと思うんです。まぁ、アリです。
でもこれがさ、
渋谷のギャルたちがルーズソックスを履きはじめました、山姥メイクを始めました、からの~~、安室奈美恵がそれに便乗!
だったらどうですか。
一般人の作りだした流行に、タレントの方が後追いで乗っかってくるケース。
・・・・・・
これ、すごく変な感じするでしょ。
本来であれば、流行を引っ張っていくのがタレントだったりプロ選手だったり、カリスマ的な存在の人々なはず。
プロ野球選手と言えば、今も昔も花形の職業。カリスマもカリスマ。一般人への影響力は半端なものではないはず。
たとえば
「イチロー選手が51番を付けているから、私も背番号は51番がイイ!」
みたいな感じで、一般人から憧れられて当然な存在です。
そう考えるとさ、帽子のつばピーンに変わる、新しい若者文化としてのオシャレなかぶり方を、ぜひとも現役のプロ野球選手に発明&実践してもらいたいんですよね…。
例えばこんな感じ。
ちょっと考えてみました。こういうのはどうでしょう。
帽子のつばの両サイドを下げずに、むしろ上げていくかぶり方。
題して「オニイトマキエイ」スタイル。
(名称に意味はございません)
従来のカーブ型の逆ですね。
帽子のつばの両端を、飽くなき向上心をイメージするかの如く上へと向ける。
・・・・・・
っていうか、絵がヘタ過ぎて分からないかな。大丈夫でしょうか。
もうひとつ考えてみました。
題して「カリフォルニア・ロール」。
帽子のつばを前方から上に巻いていくスタイル。
これは…海外でも流行るんじゃないでしょうか。
日本の伝統的な料理「MAKIZUSHI」を連想させる点も、ポイントが高いです。
大谷翔平選手がやり始めたら、間違いなくマネするちびっ子たちが大勢現れるでしょう。
さて…。
後半の失速感はどうする事も出来ませんでしたね。
これが「老い」というものなのでしょうか。
帽子のつばピーン論争については、本当はもっと濃い内容の考察をしたかったんですが、今日はこのへんで。