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こんなお話を妄想してみた。『カットマン(仮題)』

こんなストーリーを考えた。(ってか今、考えてる)

不慮の事故で全身に重い障害を負った元プロ野球選手が、厳しいリハビリを乗り越え、たった数試合だけ、スタジアムに戻ってきて公式戦に出場する…っていう話。

映画化、漫画化、ご希望の方は、ツイッターにでもご連絡ください。

 

原案って感じです。メモ書きです。

今まさに、考えながらラフに書きます。

 

「カットマン(仮題)」

 

主人公のタケオ(仮)は、プロ野球選手。

決してエリート街道を歩んできたわけではない。

通っていた高校は強豪校ではなかったし、当然、甲子園の出場経験もない。

体格的にも野球センスにも恵まれていなかったが、持ち前の根性と粘り強さ、執念深さと諦めの悪さで、大好きな野球をしつこく続けていた。

なんとかすべりこんだ独立リーグのチームを経て、万年最下位のタートルズ(仮)にドラフト外で指名され、念願のプロ野球選手になった苦労人。

持ち味は守備でのミスの少なさ。

 

プロの世界に足を踏み入れた事で、己の才能の無さを嫌と言うほど思い知らされるタケオ。

たとえ万年最下位のチームの2軍と言えども、そこに所属していたのは「子供の頃は町内で一番野球が上手かった」連中ばかりだった。

タケオは、才能や体格の差を埋めるために、人の2倍、3倍の努力をする。

チームの練習メニューを終えた後に、自主トレに励む毎日。

練習のし過ぎで怪我をすることも多かった。

ある夜、疲労困憊で2軍の宿舎へと戻る途中、タケオは暴走してきたトラックに轢かれ、全身に重い障害を負う。

労災が適用された。(知らんがな)

 

日常生活にも支障をきたすほどの重傷を負いながらも、野球への未練を捨てきれないタケオ。

再起不能だと思われていたタケオの孤独な闘いが始まる。

肺や心臓、胃腸など、あらゆる臓器の機能が低下している。

両手両足には強いマヒが残っている。

人知れず、リハビリに取り組むタケオ。

そして5年の歳月が流れた。

 

その年のペナントレース開幕戦。

万年最下位のクズチーム、タートルズのセキネ監督(仮)には秘策があった。

なんと、スターティングメンバーのリストにはタケオの名前が。

1番DHタケオ。

スタジアムがざわめく。

オープン戦にさえ1試合も出場していないタケオが?

過去に一度も1軍の試合に出てないぞ?

そもそも5年前の事故で終わった選手だろ?

負けることが日常になっていたタートルズには、なにかカンフル剤的な要素が必要だった。

負けてもともと。やれるだけのことはなんでもやろう。

セキネ監督の粋な計らいだった。

そしてもちろん、セキネ監督には勝算もあったのだ。

セキネはタケオの復調ぶりを事前に確認していた。

サプライズのためにあえてオープン戦に使わなかったのだ。

 

マウンド上にはラビッツ(仮)のエース、剛腕サワムラ(仮)。

第一球目から170キロの剛速球をど真ん中に投げ込んでくる。

「オレの球を打てるわけがない」

2球目は150キロ台のフォークボール

常軌を逸している。

打てるわけがない。

3球目。サワムラは自信満々で真ん中高めのストレート。これで勝負ありだ。

誰もが三振だと思ったが、タケオはかろうじてバットに当ててファールに。

ここから、

誰もが思いもよらなかったヘンテコな死闘が始まった。

カットマン・タケオの誕生だ。

 

タケオが5球連続でカットした時、スタジアムはざわめき始めた。

20球を超えた時、観客席はブーイングで埋め尽くされた。

しかし、

タケオはやめない。

ひたすらカットし続ける。

もはやサワムラは、意地でもストレートでねじ伏せるつもりだった。

キャッチャーのサインに首を振る。駆け引きは無しだ。

これはプライドの闘いだ。

俺を誰だと思ってる。サワムラさんだぞ。

 

肩で息をし始めるサワムラとタケオ。

投球数が50球を超える頃には、観客席のブーイングは声援へと変わっていた。

サワムラがんばれ

タケオがんばれ

もはや試合の決着とは別の楽しみが生まれていた。

前代未聞のゲームだ。

まだ初回のトップバッターだぞ?

 

事故の後遺症で両手足に強いマヒが残っているタケオは、バットをフルスイングできない体になっていた。

ましてや、サワムラの剛速球をフェアゾーンへと打ち返す力など、最初から無かった。

そんなことはタケオも、起用したセキネ監督も分かっていた。

最初から、徹底してカットで粘るつもりだったのだ。

相手ピッチャーに球数を投げさせ、体力と集中力を奪うのが作戦だった。

そしてそのためにこの5年、ずっとタケオは「カット打法」の練習に取り組んでいたのだった。

朝から晩までカットカット。

三度の飯よりもカット。

睡眠中は、夢の中でもカットしていた。

 

たとえヒットゾーンへボールを打ち返しても、タケオは全速力で走ることは出来ない。

タケオが野球選手として生き延びるためには、活路を見いだすためには、「前代未聞の超ド級カットマン」になる以外に選択肢は無かったのだ。

 

サワムラの投げた球数が80球を超えた時、もはやスタジアムの空気は混沌としていた。

こんな光景、誰も見たことが無い。

地獄だ。

そもそもこれは野球の試合と言っていいのか?

この調子だと、帰りの電車が無くなるのは間違いない。

というか、今日中にこの試合は終わるのか?

サワムラは何を考えているんだ?

タケオ、空気読めよ!

誰か止めろよ!

いや!誰も止めるな!

この決着を見届けなければ、絶対に後悔することになるぞ!

意地と意地のぶつかり合い。

サワムラはフォアボールの決着だけは死んでも嫌だった。

それでも時折、コントロールが乱れ、ストライクゾーンからわずかに外れ始める。

しかし、そんなボールにでさえ、タケオは食らいついていった。

そして、それを見たサワムラは当然のようにますます闘志を燃え上がらせる。

もう誰も、サワムラを説得することは出来ない。

試合の勝ち負けとか、勝利投手の権利とか、翌日の疲労とか、そんなことはもうどうでもよかった。

男と男の勝負。ただそれだけだった。

 

いつ終わるとも知れない死闘はあっけない幕切れで終わった。

サワムラの投じた100球目のコントロールが乱れ、タケオの頭部を直撃したのだ。

サワムラは危険球退場となり、タケオは担架で運び出され病院へと向かった。

(バッターの頭にボールを当ててしまうと、問答無用でピッチャーは退場)

場内は騒然。

客席では悲鳴やすすり泣く声、怒号も聞こえた。

各テレビ局は臨時ニュースのテロップを流し、街角では号外が配られた。

こんな珍事は、もう二度とありえないだろう。

このあと続いた試合が、グダグダだったのは言うまでもない。

試合途中にもかかわらず、観客たちの多くは帰り始め、選手たちは集中力を失い、ミスを連発した。

 

10

その後しばらくは、どこへ行っても、この「カットマン・タケオ」の話題でもちきりだった。

ああいう作戦はプロとしてアリかナシか?

是か非か?

ルールブックに書いて無ければルール違反じゃない、という考え方はモラルとしてどうなんだ?

いやいや、違う。

そもそも、あれだけのカットの技術を身に付けるためには死ぬほどの努力が必要だったはずだ。

タケオの努力を否定することなんて出来るのか?

 

日本野球機構にも、クレームが殺到していた。

 

 11

幸い、タケオが受けた頭部へのダメージは、それほど重いものではなかった。

おかげで1週間後には、プレーできるほどに回復した。

しかし。

タケオの選手生命はその後の2試合で断たれることになった。

戦列に復帰したタケオは、開幕戦と同様、唯一の武器「カット打法」を駆使。

激怒した外国人ピッチャーから早々にデッドボールを食らい(代走に交代)、わき腹を痛めた。

その後は両軍入り乱れての乱闘騒ぎとなり、報復合戦へと発展。

またしても試合はグダグダ。

さらに次の試合では、タケオがバッターボックスへ入るやいなや、悪名高い相手チームの私設応援団が暴れ出し、観客席が大混乱となり、試合が一時中断する騒ぎとなった。

審判団の緊急協議の結果、著しく場の空気を乱した原因はタケオにあるとして退場処分となり、その後は正式なルール改正によってタケオはプロ野球界から締め出された。

ちなみに、

タケオを起用したセキネ監督も責任を取って解任。現場を離れることとなった。

 

以上が人生をかけて野球に取り組み、「カット打法」に活路を見いだそうとしたタケオの1軍での全・出場記録である。

 

的な話。

 

※現在進行形で考えながら、ざっと走り書きした感じなので、あちこち粗い。ご了承ください。

ご存知の通り、過去にカット打法で甲子園を沸かせた某選手のエピソードからも着想を得ています。