働くくらいなら、釣りでもしますよ。海釣り。
1日に2匹くらい釣れば、一応、飢え死にしなくて済むだろう。
働くくらいなら、サバイバル・ダンスを踊り狂って、絶命したい。
何この見出し。
まぁとにかくね、一応「青写真」だけでも描いておこうと思います。
ある日突然、地球によく似た星の、日本によく似た国にぽろっと落っことされたという状況を想定して、サバイバル・シミュレーションを行います。
鬼束ちひろ的に、この腐敗した世界に落とされた「GOD'S CHILD」という立ち位置で考えていきたいと思います。
とにかく、何とかして生き抜くのだ。まずはヌーディスト状態を脱出する。
見ず知らずの国、見ず知らずの町。
ここはどうやら、地球によく似た星らしい。
奇跡的にも、日本語が通じるのはラッキーであった。
とりあえず、全裸なので、段ボールなどで衣服を作成する。
己の肉体をタイトなジーンズにねじ込むのは、もっと先の話になるであろう。
段ボールで衣服を作る…。
どうせなら、妥協はしたくないので、真田幸村的な装いを目指すか。
イメージ画像。
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これでよし。
とりあえず「猥褻物陳列罪的な何か」で、しょっ引かれる危険性はなくなった。
それどころか段ボールの甲冑のおかげで、何か荘厳な雰囲気まで醸し出してしまった。
完全な不可抗力だ。結果オーライ。
まず最初に、温かい地方へと移動するか…。そして魚を釣る。
通行人にいろいろ訪ねて、地理的なこと、気候的なことなどを念入りにリサーチする。
とにかく、暖かい地方へと移動しなければならない。
我々ホームレスにとって「気温」は考慮すべき重要な要素だ。
寒ければ、無駄に多くの衣類を所有しなければならない。
暖房設備さえ必要になるケースもある。
寒さは死に直結するのだ。
そんなこんなで、流れ流れてたどり着いたのが、瀬戸内海によく似た土地であった。
よし、このへんに住居を構えよう。
「瀬戸内海式気候」は、年間を通じて天気や湿度が安定している。らしい。
さっそく、魚釣りの道具を手に入れるため、海岸や港を物色。
基本的には、海岸に落ちているものを利用する。
ゴミ拾いをしている「ビーチ・クリーン・キャンペーン」的な活動にいそしむエコロジストと勘違いされて、地元民に好感を持たれる。
毎日、海辺をウロウロとしているので、徐々に「名物おじさん化」していき、そのうちに、地元の漁民たちから「うみねこ」とか、あだ名をつけられる。
なんだかんだで、親切な地元の漁民から、小魚とか、タコをもらうようになるので、自分で釣りをしなくても、港をブラブラするだけで生きながらえることが可能になる。
食料の確保に余裕が出てきたら、今度は内陸部へと行動範囲を広げていく。
海に近い土地で、畑仕事をしているじいさんばあさんに話しかける。
たまに肩を揉んでやったり、昔話を聞いてあげる代わりに、キャベツの芯や、間引いた小さな人参をもらう。
しまいには、どうどうと風呂を借りるくらいの仲になる。
暇を持て余しているじいさんやばあさんに慕われる存在となる。
懇意にしていたじいさんが死去。
思いがけず、わずかだが、遺産が転がり込む。
そのカネで土地を買い、自分で家を建てる。
最終的には、自分と同じ境遇の「鬼束ちひろ的 GOD'S CHILD」たちと共に、小さなコミュニティを形成して、ゆるゆるな共同生活を始める。
それぞれが、自分の得意なポジションで、自分の役目を果たす。
釣り担当、畑担当、養鶏担当、ネットで稼ぐ現金収入担当…。
パン屋を開業、カフェを開業、and more…!
……いかがだろうか。
定職につかなくても、なんとか生き延びることができそうな気がしてきたのではなかろうか。
おそらく、近い将来、今までこの地球上に存在していなかった「新しい職業」が、次々と誕生するのではないかと私は睨んでいる。
それは言ってみれば「自由人」とか「スナフキン業」みたいなものかも知れない。
スナフキン業、いいな…。
時々、ムーミン的な悩める村人の相談に乗るという業務。