あるところに、ライオンのようになりたいネコがいました。
ライオンみたいに、みんなから「すごい」って言われたい。
ネコは、そんなふうに思っていました。
「どうしたら、ライオンみたいになれるんだろう?」
ネコはいろいろかんがえて、
どうぶつたちに、そうだんしてみることにしました。
まずは、いろんなことを知っている、ゾウのところへいきました。
(=^・・^=)
「ゾウさん、ゾウさん、どうすればライオンみたいになれるかな?」
ゾウは言いました。
「ライオンみたいに強くなりたいのかい?ライオンに勝ちたいのかい?」
(=^・・^=)
「う~~ん…。そういうことなのかなぁ。」
ゾウは答えました。
「かんたんだよ。ぼくのように大きくなればいいんだよ。」
(=^・・^=)
「ゾウさん、ナイス・アドバイスをありがとう」
ネコは家にかえったあと、ごはんをたくさん食べたけれど
ゾウのように大きくなることは、できませんでした。
(=^・・^=)
「何か、ちがうなぁ~。」
ネコはいろいろかんがえて、
今度はキリンに、そうだんしてみることにしました。
(=^・・^=)
「キリンさん、キリンさん、どうすればライオンみたいになれるかな?」
キリンは言いました。
「アナタは、ライオンをやっつけたいの?」
(=^・・^=)
「う~ん…。そうなのかも…。」
キリンは答えました。
「ワタシのように長い足で、けっとばしちゃえば、ライオンだってにげていくよ」
(=^・・^=)
「なるほど。キリンさん、ナイス・アドバイスをありがとう」
ネコは家にかえったあと、自分の足を毎日ひっぱったけれど、
足はちっとも、ながくなりませんでした。
(=^・・^=)
「う~ん…。こういうことじゃない気がする。」
ネコはいろいろかんがえたあと、
今度はワニに、そうだんしてみることにしました。
(=^・・^=)
「ワニさん、ワニさん、どうすればライオンみたいになれるかな?」
ワニは言いました。
「おまえは、ライオンをガブリと食べてしまいたいのかい?」
(=^・・^=)
「え~!…そうなんだろうか?」
ワニは答えました。
「オレにはかんたんなことだ。ライオンを水の中まで引きずりこむのさ。」
(=^・・^=)
「なるほど。自分の土俵(どひょう)でたたかうんだね。ワニさん、ありがとう。」
ネコは、川でおよぐれんしゅうをしたけれど、
ワニのようには、およげませんでした。
(=^・・^=)
「水の中は自分の土俵(どひょう)じゃないなぁ。」
ネコはいろいろかんがえたあと、
今度はオオカミたちに、そうだんしてみました。
(=^・・^=)
「オオカミさん、オオカミさん、どうすればライオンみたいになれるかな?」
オオカミのリーダーは言いました。
「おまえさんは、ライオンと同じくらい、つよくなるほうほうをしりたいのかい?」
(=^・・^=)
「そうそう、そんなかんじです。」
オオカミのリーダーは答えました。
「われわれを見てごらん。ひとりひとりは弱くても、みんなで力を合わせればライオンにだって負けないよ。」
(=^・・^=)
「なるほど。そういう方法があるんだね。オオカミさん、ありがとう。」
ネコは家にかえって、よくかんがえてみました。
「自分には、たくさんの人たちとじょうずにやっていけるほどの
社交性(しゃこうせい)も、コミュニケーションのうりょくもない」
ネコはなんとなく分かってきました。
みんなのアドバイスは、どれも正しい。
でもそれは、かれらの答えなんだ。
ぼくの答えじゃない。
ぼくの答えは、ぼくが見つけるしかないんだ。
そんなある日のこと…。
ネコが歩いていると、向こうからライオンがやってきました。
あの、ゆめにまで見た、あこがれのライオンです。
(=^・・^=)
「ラ…ライオンさん…こんにちは…。」
ネコはきんちょうしながら、あいさつをしました。
ライオンは言いました。
「やぁ、ネコさん、こんにちは。あんたはいいねぇ。うらやましいよ。」
ネコは「びっくりぎょうてん」です。
だってライオンが、ネコのことをうらやましいだなんて思うかな?
(=^・・^=)
「ぼくは、ライオンになりたかった。ライオンの方がいいよ。ネコよりもずっとつよいじゃないか」
ライオンは言いました。
「でもネコさんは、人間たちといっしょに住んだり、人間たちのこころをいやしたりできるだろ?それは、わたしには、とてもむずかしいことなんだよ。」
ネコはようやく気づきました。
みんなそれぞれ、あたえられた「やくわり」がちがうんだ。
自分とだれかとくらべて、ゆうえつかんをもったり、れっとうかんをもったり、
そんなこと、しなくていいんだ。
ぼくは、ぼくにできることをやればいいんだ。
その日の夕日は、ネコの目には
いつもよりも、もっと、うつくしく見えました。
おしまい。